経理のペーパーレス化事例5選|メリット・デメリットと手順

世界的な流れや法改正もあり、ペーパーレス化を導入するか悩まれている企業は多いのではないでしょうか。

今回の記事では、以下のポイントについて紹介していきます。

  • ペーパーレス化に成功した実例
  • 経理のペーパーレス化によるメリット・デメリット
  • ペーパーレス化の進め方

この機会にペーパーレス化の導入を前向きに考えていきましょう。

目次

昨今経理でペーパーレスが推し進められている2つの理由

経理のペーパーレスに関する法律「電子帳簿保存法」の緩和

電子帳簿保存法とは、経理業務で使用する資料等の保存をデータで行うことを認めている法律です。この法律が2022年1月に改正され、経理書類の電子保存が義務化されました。

また働き方改革の一環として国はテレワークを推進しており、ガイドラインの中でもペーパーレス化を推奨しています。

こうして国自体がぺーパーレス化を推し進めているのが現状です。

ペーパーレスについてはさらに詳しく知りたい方以下の記事も参考にしてみてください。

>>電子化した請求書の保存期間は? 電子帳簿保存法の概要

コロナ禍の影響からなる企業活動の方向性の変動

コロナ禍の影響で2020年4月に緊急事態宣言が発令されてから、企業はリモートワークで働かざるを得ない状況に置かれました。これがきっかけでデータでやり取りを行う機会も増え、ペーパーレス化が進む要因のひとつとなりました。

2021年に東京商工会議所が行った調査によると、約50%の中小企業がペーパーレス化の推進が必要であると回答しています。今後もこの流れは続いていくのではないでしょうか。

経理のペーパーレスに成功した事例1:建築業A社

経費精算が紙媒体だったため処理が煩雑になっていた

ペーパーレス化をする以前は、この会社は経費精算は紙媒体で申請していました。取引先や地区によってコードが決められていたこともあって処理は煩雑になり、また社内システムへの入力作業もかなりの時間を費やしていたのです。

経費精算を預かる経理部門だけならまだしも、ほかの部署の従業員からも「経費精算のために出社するのはどうなのか」という疑問が出ることもありました。

ペーパーレス導入後は経費精算業務の工数の約7割削減を実現

ペーパーレスの導入後は、従業員からの不満が多かった経費精算のための出社も不要になりました。外出時の空いた時間にスマートフォンで申請が可能になり、上司も承認できます。経費精算が楽になったと、社内の評判も上々です。

また従業員が精算を申請後、実際に経理に届くまでの日数も短縮されました。すべてインターネット上で完結できるので、申請された中のおよそ半分は当日中に処理が完了するようになっています。全体的に見れば、経理業務の工数を約7割を削減できました。

経理のペーパーレスに成功した事例2:製造業B社

月1,000件以上の経理精算を手作業で行い、作業量が経理部門の負担となっていた

経理部門で担当する経費精算は月に1,000件以上あり、それを社内システムに手入力するだけでも相当な作業量でした。その後、データと領収書等紙の申請書の突合をすべて手作業で行っていたのです。デスク上に紙の書類が積み上げられているのは日常茶飯事で、急に必要になった資料を探すための手間と時間もかなり要してしまう状況でした。

ペーパーレス導入後は経理部門だけでなく、申請者の工数も50%削減された

ペーパーレスの導入により、経理部門の負担を減らすことに成功しました。負担や紙代のコスト削減は当初から予測できていましたが、一番効果を実感できたのがスピード感です。これは場所を問わず作業を行えること、そしてシステムがエラーチェックを行ってくれることが大きいのではないでしょうか。

また精算業務が多い営業担当等、経理部門だけではなく申請する側の工数も50%削減できたので、業務効率化を一気に進めることができました。

経理のペーパーレスに成功した事例3:不動産業C社

経費精算方法がExcelだったため申請から完了までに時間がかかっていた

ペーパーレス導入前は、経費精算にはExcelで作成された社内共通のフォーマットを利用していました。申請者は自分でExcelへの入力を行い、印刷後に領収書等を貼り付けて経理部に提出します。経理部は申請された書類を、1枚ずつ正確に入力されているかをチェックしていたので、経費の締日以降は相当な作業量になっていたはずです。そこから最終的な承認に至るまで、どうしてもある程度の日数を要してしまうのが大きな課題でした。

ペーパーレス導入後は経費精算時間の短縮だけでなく、精算書の紛失トラブルも改善

ペーパーレスを導入することにより一番効果が出たのは、時間の短縮です。経費精算の申請から承認までをリアルタイムで行うことができるようになったので、スムーズに進行するようになりました。また以前は紙の書類を紛失してしまうことがありましたが、今では紛失トラブルは発生していません。

そのほか、経費精算のスピードがアップしたので、月次決算の確定も前倒しで行えるようになりました。ほぼリアルタイムで確認できるので、経営にも良い影響を及ぼしています。

経理のペーパーレスに成功した事例4:飲食業D店

以前からシステムはあったが手作業の手間も多かった 

ペーパーレスの導入前は、元から使用していたシステムを利用していました。経費精算の資料を見ながら、経理部門のスタッフが1枚ずつ手入力を行う方法です。申請する側は決められたフォーマットに自ら記入し、そこに領収書を添付して提出をします。システムの利用はしていましたが、手作業の手間もかなり発生していたのです。申請と入力データとの照合にも時間がかかっていました。

ペーパーレス導入後は経理精算時間を1/6に短縮

ペーパーレスを導入することで、これまで行っていた「紙での申請→回覧→印鑑承認」という一連の流れがなくなりました。電子化することで経理業務を簡略化することができ、承認までの時間を以前の1/6に短縮することができるようになったのです。

中には未承認のものが出てきますが、それもメール上でやり取りが行えるので漏れがなくなりました。

経理のペーパーレスに成功した事例5:広告代理業E社 

請求書等の対外帳簿には押印が必要でパフォーマンスの低下を招いていた

導入前まで、見積書や請求書等の取引先に向けての書類には、押印が必須でした。毎月かなりの枚数になるので、作成する申請者側、そして承認者側も手作業で行うために作業効率が悪かったのです。ほかの業務に支障が出ることもあり、どう効率化を図っていくかが課題となっていました。

ペーパーレス導入後は押印の手間がなくなり、月次決算日数も短縮

ペーパーレスを導入した結果、申請から承認までをすべてシステム上で行えるようになったので作業効率がアップしました。また押印の手間がなくなったのも大きかったです。

日々の作業スピードが上がった効果で、月次決算に要する日数も短縮することができました。その分早く経営に活かすことができるようになっています。

経理をペーパーレスにすることで、得られるメリット

経理をペーパーレス化することで得られるメリットは、以下のとおりです。

様々なコスト削減に繋がる

紙の印刷が不要になるので、「紙代」「コピー機のトナー代」の節約が可能になります。また請求書等を郵送していた場合は、「切手代」「発送費用」も減らすことができるでしょう。

業務の効率化

文書作成等を手作業で行うと、誤字脱字や入力漏れ等の人的ミスがどうしても発生してしまいます。文書の電子化ができれば自動チェックが可能なので、効率化を一気に進めることができるでしょう。

時間や場所にとらわれない働き方の実現

紙ベースでの作業のように、ハンコによる承認や社内での資料保管の必要がありません。場所や時間に関係なく仕事をすることができるので、多様な働き方が可能になるでしょう。

セキュリティ強化

電子化された書類は、アクセスや編集等の権利設定が可能です。これにより、紙資料の場合よりも文書改ざん等に対するセキュリティ対策がしやすいでしょう。

経理をペーパーレスにすることで、受けるデメリット

一方、ペーパーレスを導入することによるデメリットは、以下が考えられます。

コスト(金銭&時間)がかかる

導入に伴い、金銭面ではパソコン等を購入する必要が出てくるかもしれません。また既存の紙資料を電子化する場合は、時間的コストもかかってしまうでしょう。

システムに問題が生じる可能性がある

ハードウェアの故障や従業員の操作ミス、外部からのサイバー攻撃等、システムに問題が起きる可能性があります。バックアップを頻繁に取る等、対策が必要になるでしょう。

申請者への教育・指導が必要である

ペーパーレス化によりITツールを使用することになります。パソコン操作等に苦手意識を持つ申請者に対しては、操作方法の教育や指導が必要になるかもしれません。

経理をペーパーレスにするための手順

経理にペーパーレス化を導入する場合は、どのような手順で行っていけば良いのでしょうか。この章では、導入時の手順を紹介していきます。

「なぜ導入するのか?」目的の明確化

今までと同じく紙ベースでの仕事で問題がなければ、いざペーパーレス化を導入してみても浸透しない可能性があります。なぜ必要なのか目的を明確にし、社内で共有することで、導入をスムーズに進めることができるようになるでしょう。

ぺーパーレス化する書類の選別

まずは紙媒体の書類を洗い出し、どれをペーパーレスにするか決めましょう。ルールを統一することで、保存方法がバラバラになることの内容に準備します。

導入するツール・システムの決定

どのツールやシステムが自社に合うか、いくつか候補に挙げて比較しましょう。選ぶ際のポイントとして、もちろんコスト削減効果や業務効率は大切です。それ以外に操作のしやすさ等、社員が運用しやすいかどうかという面からチェックするのも重要です。

効果測定

ツールやシステムを導入したら、導入前後でどのような効果が出たか、具体的に数値化します。例えば経費精算であれば「申請から承認まで5日早くなった」等、社内で共有しましょう。

納品書の受け取りからペーパーレスに。oneplatの納品書・請求書クラウドサービス

ペーパーレスにおすすめのクラウドサービスにoneplatがあります。

oneplatは納品書と請求書の作成から承認まで、一気通貫にシステム上で行えるシステムです。この章では導入で得られるメリットについて、2つ紹介します。

紙の納品書・請求書の取りまとめ、回覧・承認の手間が一切無くなる

納品書はほぼ毎日届き、請求書は月末または月初に集中することが多いのではないでしょうか。そのすべてを回覧、承認作業まで持っていくのに相当な時間を要します。

しかしoneplatを導入すると、納品書はクラウド上で取引先に入力を行ってもらうことで「データの受け取り」「販売管理システムへの自動入力」「請求書の発行」「会計システムとの連携」をすべてシステム上で完結することが可能です。

その結果、今まで書類の回覧や承認の手間が不要になり、業務効率化に繋がります。

oneplatで取りまとめたデータは販売管理システムや会計システムと連携可能

紙の納品書を取り扱っている場合は、納品書のデータを自社の販売管理システムへ手入力を行っているのではないでしょうか。oneplatは、様々な販売管理システムや会計システムとの連携が可能です。よって取りまとめたデータはシステムに自動で取り込まれるので、今までの入力作業が不要になります。

また納品書と請求書の突合作業も行う必要がなく、承認作業もoneplat上で行えるので、業務の効率化を一気に進めることができます。

【まとめ】事例を参考にして自社にマッチするシステムを導入しよう 

5業種の企業の実例をふまえつつ、ペーパーレス化について紹介してきました。業種業態は関係なく、どの企業にも該当することがおわかりいただけたのではないでしょうか。

ペーパーレス化の流れは今後も継続していくでしょうし、今回の事例を参考に導入の検討をしていただけたら幸いです。

自社に合ったシステムを導入し、「コストと時間の削減」「業務効率化」を実現させていきましょう。

この記事を読んだ方で「受け取る」納品書や請求書を「電子化」することに興味がある方はいませんか?

oneplatは、納品書や請求書をデータで受け取れるサービスです。

会社組織の財務・経理部門や、支店・店舗・工場などの、 管理業務における下記の課題解決にoneplatは大きく貢献できます。

  • 会計/販売管理システムとの連携で仕訳入力が不要に
  • 取りまとめたデータを自動で取り込み
  • 総合振込データの作成や仕訳の消込も自動入力

導入後は複雑なデータ入力業務に時間を奪われることなく、本来の業務へ時間とコストを割くことが可能です。

このウェブサイトでは、他にもコスト削減・業務効率化に役立つ資料を無料で配布しておりますので、 是非、この機会に一度資料ダウンロードをしてみください。

oneplus編集部

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