大量の納品書が届く企業では、紙・PDF・メールが混在し「どこに届いた?」「誰が承認した?」と、納品書を探すだけで時間を奪われてしまいがちです。また、確認漏れや二重処理、支払遅延といったミスも起こりやすく、経理担当者が本来注力すべき業務を圧迫することも少なくありません。
こうした課題を解消する鍵となるのが「納品書の電子化」と「受取窓口の一本化」です。仕入先からデータで受け取り、承認・照合・保管までをクラウドで完結できる仕組みは、バックオフィス業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を後押しします。
本記事では、納品書管理で生じているムダや課題を明らかにし、どのように改善していけるのかを解説します。
紙・PDF・メール納品書が混在するとこんなに大変!
紙・PDF・メールとバラバラに届く納品書は、経理業務を複雑にします。ここでは、納品書が混在して起きる問題点をまとめました。
納品書がさまざまな形式で届くと、担当者はまず「どこに届いたのか」を探さなくてはいけません。例えば、PDFならダウンロードと印刷が必要になり、確認に至るまでの準備で多くの時間を費やします。
さらに、仕入先ごとに様式がバラけている場合は、金額や内容を確認する箇所も異なるため、検収・承認の作業が複雑になります。そのため処理にかかる時間が積み重なり、業務全体の生産性も低下するでしょう。こうした状況は経理全体の負担増につながる深刻な課題です。
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納品書の紛失・二重処理・支払遅延など、ミスの温床に
納品書が紙・PDF・メールなど複数の経路で届くと、どうしても漏れや重複が起こりやすくなります。紙は紛失や保管場所の取り違えが発生しやすく、PDFやメールは受信後、他の情報に埋もれてしまうなど見落としが起きがちです。
その結果、支払漏れや二重請求を見落とすといったミスにつながり、業務全体の信頼性を大きく損ねる恐れがあります。納品書の管理が煩雑なままだと、企業の資金管理や取引先との関係にも悪影響を及ぼしかねません。
【関連記事】請求書や売上で起こりがち!二重(重複)計上の原因と防止する方法
経理担当が“確認作業”に追われ、コア業務が圧迫される
経理担当者は本来、経営に役立つ分析や資金繰りの計画など、重要な業務に時間を使うのが理想です。しかし実際には、納品書の仕分け・確認・照合といった単純作業に多くの時間を取られています。
特に、仕入先が多い企業ではこの負担が膨れ上がり、月末や決算期には残業が当たり前になることもあります。こうした非効率な処理は担当者のモチベーションを下げるだけでなく、人材不足の加速にもつながる深刻な課題です。
受取窓口を一本化する4つの効果
複数の経路で届く納品書をまとめて管理できるようになると、経理業務の負担は減少します。ここでは、その具体的な4つの効果を解説します。
①ヒューマンエラーの削減
受取窓口を一本化すると、紙・メール・FAXなど複数のルートで届く納品書をまとめて管理できるようになり、転記作業そのものが不要です。手作業での入力や確認が減ることで、誤入力や重複登録といったヒューマンエラーの発生も抑えられます。
また、システム上で日付・金額・取引先情報が自動的に紐づくため、照合作業の精度は格段に向上します。特定の担当者に業務内容やフローが依存する「属人化」も防げるため、誰が対応しても同じ方法で処理できる点もメリットといえるでしょう。
②承認フローの可視化
電子ワークフローを導入して受取窓口を一本化すると、承認プロセスがシステム上で「見える化」されます。紙の納品書では、どこで処理が止まっているのか把握しづらく、催促や確認に余計な時間がかかりがちです。
一方、電子化されたフローなら、承認待ち・差戻し・完了といったステータスをリアルタイムで確認でき、遅延やボトルネックをすぐに解消できます。また、過去の承認履歴も自動保存されるため、監査対応や内部統制の強化にも有効です。業務の透明性が高まり、処理のスピードと品質の向上がメリットです。
③キャッシュフローの見える化
納品書データを一元管理すると、支払予定や取引の進捗をリアルタイムで把握できます。「いつ・どの取引先へ・いくら支払うのか」を一覧で確認できるため、キャッシュフロー管理の精度も向上するでしょう。
従来の紙処理では月末にならないと支払総額が見えず、資金繰りの予測が難しいという課題がありました。データ化して受取窓口を一本化することで、支出計画の策定やコスト管理がスピーディーになり、経営判断のスピードと精度も高まります。
④請求書と納品書の電子化で経理全体を効率化
紙の請求書と納品書が別々に届く環境では、支払前の照合ミスや記帳の遅れ、承認の停滞が起こりやすく、経理の負担になります。これを電子化して同じプラットフォームで管理すれば請求書と納品書が自動で紐づき、支払や記帳のフローをリアルタイムで連携可能です。
処理スピードが上がるだけでなく、確認漏れや転記ミスといったリスクも減らせます。こうした「受取窓口の一本化」を実現するには、バックオフィスのDXが有効です。
【関連記事】受け取る納品書・請求書を電子化する方法とメリット・デメリット|データ変換作業に注意
納品書の電子化でバックオフィスDXを実現
納品書の電子化は、バックオフィス全体の業務を見直す大きなチャンスです。ここでは、納品書の電子化がどのように経理業務の生産性向上につながるかを解説します。
納品書管理のデジタル化がDXのスタート地点
DXというと大がかりな改革を思い浮かべがちですが、第一歩は非常にシンプルで「納品書を電子化し、情報をデータとして扱うこと」です。紙やPDFで届く納品書をシステム上で一元管理すると、入力・検索・共有といった作業が自動化され、業務フロー全体の「見える化」が進みます。
経理処理を紙からデータに切り替えると、作業の効率アップやミスの減少、担当者に依存しない体制づくりが可能になります。こうした効果がすぐに出やすい点も、納品書電子化がDXの第一歩として最適な理由といえるでしょう。
紙文化が残る業界ほど効果が大きい
仕入先が多く、多くの紙の納品書が届く飲食店や宿泊業では、電子化の効果が特に顕著です。バラバラの形式で届く納品書を電子受領へ切り替えることで、納品書の到着から承認・保管までを自動化し、処理スピードを向上します。
またこれらの情報は、クラウド上で統一管理が可能です。紙文化からの移行は、バックオフィス業務のDXを現実的に前進させるきっかけとなるでしょう。
システム担当者が社内にいなくても導入できる、固定費型のシステムが普及
デジタルに不慣れな企業でも導入しやすいのが「固定費型の納品書電子化サービスシステム」です。サーバー構築や高額な初期費用が不要なケースが多く、クラウド型ならブラウザからログインするだけで使えます。操作画面もわかりやすく、導入後すぐに現場で活用できるのが特徴です。
さらに、設定サポートやヘルプデスクが充実しているサービスであれば、社内の教育に時間を取られる心配もありません。導入時の不安を解消しやすくなります。
納品書電子化なら「oneplat(ワンプラット)」
納品書を電子化したいものの、どのサービスを選べばよいか迷う企業は少なくありません。ここでは、受取業務を効率化できる「oneplat(ワンプラット)」の特徴と導入メリットを紹介します。
窓口一本化を実現する納品書・請求書クラウド受取サービス
oneplatは、納品書や請求書をクラウド上で受け取れるサービスです。仕入先が入力したデータをそのまま確認・承認でき、担当者は画面を開くだけで最新情報をチェックできます。
自宅や出張先からも受け取ったデータの確認・承認ができるため、納品書や請求書を処理する ためだけに出社する必要もありません。さらに、データはリアルタイムで反映され、CSVに対応した販売管理・会計システムとも連携できます。
仕入先が直接データを入力、自社は受け取るだけ
oneplatは、仕入先がクラウド上で納品書データを直接入力できます。そのため、紙のスキャンや転記作業の必要がありません。入力されたデータは、そのまま会計システムへ連携され、経理側は受け取るだけで処理が完了します。
これにより、二重入力や誤入力を防げるほか、作業時間の削減にも効果的です。仕入先とのやり取りもスムーズになり、経理全体の負担を軽減するでしょう。
月額固定3万円・初期費用0円で導入可能
oneplatは、初期費用も導入サポート費用も0円で始められます。月額33,000円(税込)の固定料金で、販売先が増えても、納品書の枚数が増えても追加費用は不要です。
処理枚数が多い企業でもコストを気にせず利用でき、スモールスタートから本格運用まで無理なく移行できます。予算が限られる中小企業でも安心して導入できる、わかりやすい料金体系が特徴です。
メール・電話サポート込みで安心
新しいシステムを導入する際は、仕入先への説明や運用サポート、トラブル対応が不安になりがちです。oneplatは、初期セットアップから仕入先への案内、運用中のメール・電話サポートまで月額料金に含まれており、追加費用は必要ありません。
一般的な電子化サービスでは、サポートがメール対応のみであることが多く、費用も別途有料になるケースがほとんどです。デジタル化に不安のある仕入先が多い場合でも、無料かつ丁寧な支援体制によりスムーズに運用を始められます。
電子帳簿保存法・インボイス制度にも対応済み
oneplatは、電子帳簿保存法やインボイス制度に対応しており、納品書・請求書の電子化に伴う法令対応の負担やリスクを軽減できます。データを適切な形式で保存できるため、紙の原本を保管する必要もなく、保管スペースや管理コストの削減にも効果的です。
法改正があってもシステムが随時更新されるため、安心して使い続けられます。電子化による効率化とコンプライアンス強化を同時に実現できる点がメリットです。
まとめ
納品書の電子化は経理の負担を減らすだけでなく、経理業務を進化させるDXの第一歩です。紙・PDF・メールといった複雑な受取経路を一本化すれば、確認・承認・保管までの流れが自動化され、ミスのないスムーズな処理が実現します。
毎日の小さな手間をなくすことで、経理はさらに価値ある仕事に時間を使えるようになります。今こそ、バックオフィスのストレスを軽減し、企業全体の生産性を高める一歩を踏み出してみませんか。



