効率化してDX投資促進税制を受けよう!概要や手続きを解説

  • 2022年10月16日
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新型コロナウイルス流行による景気後退や「2025年の壁」を構造改革の転換点と捉え、経済産業省はDX投資促進税制を創設しました。

本記事では、DX投資促進税制の概要や、必要な手続きについて解説いたします。

DX投資促進税制はどんなもの?

DX(デジタルトランスフォーメーション)が実現できなかった場合は、2025年以降より大きな経済損失が生じることが懸念されており、すべての企業が取り組むべき重大な課題となっています。

そのため、DX推進に投資する企業は、税額控除や特別償却を受けられます。2021年8月にスタートしたこの制度がDX投資促進税制です。

デジタル環境の整備に投資すると特別な税措置が受けられる

DXを推進したくても、設備投資には多大なコストが掛かります。そこで活用したい制度がDX投資促進税制です。

DX投資促進税制には、デジタル技術を用いた企業変革を支援する目的があります。したがって、デジタル環境整備に関する投資をする企業は、特別な税措置を受けられるのです。

対象業者が認定要件をクリアすることで、税額控除か特別償却のどちらかを受けられます。

DX投資促進税制が求められる背景

政府がDX投資促進税制を創設した背景には、DX実現に向けた取り組みが頓挫した場合に大きな経済損失が生じるという「2025年の崖」の問題があります。

この問題を克服するために、DX投資に対する税制優遇措置が求められたのです。

ここではDX投資促進税制が求められる背景について、さらに詳しく解説いたします。

WEBを介したビジネス機会の増加

現在では対面販売や店舗営業が少なくなり、WEBを活用したビジネス機会が急速に増加しています。

ビジネス形態が変化していくのと同時に、消費者行動も目まぐるしく移り変わるため、企業には迅速かつ柔軟な対応が求められているのです。

WEBを活用したビジネスにおいて後れを取ることは、企業にとって死活問題となり得ます。DX推進にコストを投下するためにも、DX投資促進税制が求められたのは自然な流れでした。

新型コロナウイルスによる働き方の変遷

新型コロナウイルスの流行により、人々の生活は大きく変化しました。リモートワークの急拡大に代表される、働き方の変化もそのひとつです。

以前と違い、リモートワークの環境を整えることは不可欠となっています。しかしIT人材開発や設備投資にコストをかけられなければ、その企業はDX推進の流れに乗ることができません。

資金力に不安のある企業がDXを実現し、デジタル競争力を向上させるために、DX投資促進税制の導入が必要だったのです。

DX投資促進税制に必要な手続きを解説

DX投資促進税制を利用するためには、いくつかの手続きと数か月の期間が必要です。そのため、DX投資に際してこの税制を利用するのであれば、相当の準備期間を想定しておくことをおすすめします。

ここでは、DX投資促進税制を実際に利用するために必要な手続きについて、具体的に解説いたします。

情報処理推進機構(IPA)に申請

まずは要件を満たしているかを事前相談で確認しましょう。

その後にDX認定に必要な申請書と資料を作成し、情報処理推進機構(IPA)に申請します。提出した書類を元に審査され、審査に通ればDX認定を受けられます。

IPAのホームページから申請できるので、必要書類が用意できればすぐに申し込める点が便利です。

事業適応計画の作成・提出および認定

事業適応計画とは、競争条件や社会情勢の変化に適応し、競争力向上と新規需要獲得を目指した具体的な計画案のことです。

計画を提出し、主務官庁から認められると、認定書・確認書をもらうことができます。

事業適応計画の実施

提出した事業適応計画に準じて設備関係を作成・取得し、税制適用期間に実施していきます。

税制適用の対象となる2023年度末までに、事業適応計画の認定だけでなく、実際に事業として運用を開始している必要があります。

税務申告

税制適用年度が終了したら、税額控除か特別償却のいずれかを選択し、税務申告をする必要があります。

申告の際には「確認書」「認定書」および「認定計画」それぞれの写しを求められるので、事前に準備しておきましょう。

事業年度ごとに申告作業

事業年度が終了するごとに、「実施状況報告書」を提出する必要があります。

実施状況報告書は、事業年度が終了して3か月以内に提出しなくてはなりません。

DX投資促進税制の気になる疑問を解決

DX投資促進税制について、概要や必要な手続きについて解説いたしました。しかし、税制の詳しい内容については、まだ疑問点も多く残っているのではないでしょうか。

税制の対象となる資産や満たすべき条件、手続きに要する期間など、多くの方が疑問に感じるであろう点について、以下で解説いたします。

対象となる資産とは

ソフトウェアや繰延資産、またはそれらと組み合わせて使用する機械装置や器具備品が対象となります。

ソフトウェアとは「コンピューターへのコマンドを組み合わせてある結果を生み出すもの」と定義されています。したがってアプリケーションソフト単体だけでなく、上記の定義を満たすものも対象です。

なお、繰延資産とは、新システムへの切り替えと維持に必要な費用を指しています。

要件はどんなものがあるのか

DX投資促進税制の恩恵を受けるためには、満たすべき2つの要件があります。以下2つの条件を紹介いたします。

①デジタル要件

・DX認定を取得すること
・クラウドコンピューティングを活用すること
・社内データと他社の保有データ、およびセンサー等で取得したデータを連携させること

②企業変革要件

・全社の意思決定に基づくものであること
・売上増や生産性アップが見込まれること
・KPI(重要業績評価指数)の数値を満たすこと

具体的にどれくらい控除が受けられるのか

要件を満たした対象設備(ソフトウェア・繰延資産等)についての税額控除は3%となります。

なお、グループ外の他法人とのデータ連携を実施する場合は5%の控除、または30%の特別償却が受けられます。

投資額は連結決算ベースで国内売上高の0.1%を下限とし、1社あたり300億円が上限です。また税額控除の上限は、「カーボンニュートラルに向けた投資促進税制」と合算した法人税額の20%となります。

手続きにはどれくらいかかるのか

事前相談から申請に進むまでには、1〜2か月ほど要します。そこから事業適応計画認定に1か月以上かかり、DX認定にも同程度の時間が必要です。

上記の時間は確定的なものではありませんが、DX認定を取っていない場合は取得を急ぐべきでしょう。

手続きに要する期間を一概には言えませんが、余裕を持って6か月程度の期間を見込んで行動するのが良いでしょう。

DX投資促進税制には期限がある

DX投資促進税制には、2023年度末までという適応期限が設けられていることに注意が必要です。期限までに、計画に沿って設備運用を進めなければなりません。

適用期限までに計画書を提出するのは勿論のことですが、計画認定後にDX投資した設備を稼働させなければ、税制措置を受けられない点は十分に認識しておきましょう。

まとめ:DXは業務の効率化に最適!期限内に措置を受けて進めよう

DXを実現することで、業務の大幅な効率化を図れます。しかし多額の費用が必要になることから、及び腰になっている企業も多いのではないでしょうか。

本記事で解説したように、DX投資には税制優遇措置が適用されます。期限内に措置を受け、DX実現に向けて今すぐに動き出してはいかがでしょうか。

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oneplus編集部

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