経理は内製化が良いのか?外注化と比較しながら特徴や選ぶポイントを紹介

最近では様々な業務の外注化が当たり前になってきていますが、それと同時にシステムの開発が進み、内製化に戻す動きも出てきています。経理においては内製化することでどのようなメリットがあるのでしょうか。本記事では、目的や特徴を外注化と比較しながら紹介していきます。

経理業務の内製化とは?

外部に委託していた業務を自社で行うことを指します。専門家に依頼するとコストがかかってしまいますが、自社で行うことによってコストの削減や人材育成に繋がるでしょう。ここでは内製化の目的と外注化との使い分けについて説明していきます。

内製化の目的

内製化には大きく分けて2つの目的があります。

・経費の削減:外部に委託する場合は、月額費用+オプション追加費がかかることが一般的でしょう。イレギュラー対応があれば追加でさらに費用がかかることも少なくありません。専門知識が必要な業務であればより料金も上がります。これらを自社で補うことによって、外注費等の経費を削減できます。

・業務の効率化:外注化する場合は、システム自体に対しては専門知識が豊富ですが、自社業務については理解していないことも多いでしょう。定型的な単純作業では効率化ができても、状況判断が必要な非定型業務においては効率が下がる可能性もあります。

内製化と外注化の使い分けが必要

どちらにも良い点と悪い点がありますので、特徴を理解して使い分けることが大切です。長期的な視点でどちらを利用すべきか検討していきましょう。そのためにも自社の業務の洗い出しやコストを試算して、利用目的を明確にする必要があります。そして、それぞれの特徴を最大限に生かせるように利用していきましょう。

経理における給与計算の内製化

経理においてよく挙げられる業務が給与計算です。この業務は属人化しやすいといわれますが、内製化することによって得られる効果や損なわれる効果にはどのようなことがあるのでしょうか。メリットとデメリットについてそれぞれ見ていきましょう。

内製化するメリット

給与計算を内製化することにより得られるメリットは主に4つあります。

・自社特有の計算方法を利用できる:自社のルールに基づいた計算方法が存在する場合は、それを把握している自社の社員で対応した方が、効率が良いこともあります。また、就業規則の変更が多く、頻繁に反映が必要な場合も同じことが言えます。

・情報が外部に漏れにくい:外部に委託せず自社内で完結できるため、個人情報の漏洩リスクが低くなります。

・自社の人材育成に繋がる:自社の社員で行うことで給与計算に関する知識や経験が身に付きます。

・担当者への確認がスムーズにできる:明細について確認したいとき、担当者が自社の社員であれば直接確認することができます。

内製化するデメリット

給与計算を内製化することにより損なわれるデメリットは主に4つあります。

・担当者の責任や負担が大きくなる:ミスの発生により残業代が少なく振り込まれていた、税額に誤りがあり、追徴課税が必要となってしまった等のトラブルが発生すると社内だけではなく企業自体の信用度にも関わってきてしまいます。

・特定の時期の業務量が増えやすい:毎日の対応に加えて年末には年末調整が必要になります。このように年に一回や月に一回の業務が重なると業務量が増え、多忙になることもあるでしょう。

・業務が属人化しやすい:個人情報を取り扱うため、特定の担当者しか情報を取り扱えないようにするケースが多いです。そのため、各担当者しかわからない業務が増え、属人化しやすいと言えるでしょう。

・人材育成に時間がかかる:システムの使い方や税務に対する知識等が必要となるため、専門的な知識を身に付けた人材を育成するまでに時間がかかってしまうことが考えられます。

内製化・外注化それぞれの良い点・悪い点

企業内で取り入れていく上で、それぞれ良い点・悪い点が存在します。業務内容や経営状況に併せて選択できるように特徴を理解しておきましょう。

内製化の良い点

内製化することにより以下のような効果が得られます。

・業務効率の向上:企画から実施まで一括してできるため、意思疎通やスケジュール調整がしやすいでしょう。
・修正や変更等の柔軟な対応が可能:連絡が付きやすく細かな修正や変更も伝えやすいため、柔軟な対応が可能です。
・社内の技術や知識の向上:社員が対応することで人材育成が可能となり、知識や技術の向上に繋がります。
・外注費のコスト削減:専門的な知識が必要な業務であれば、より費用がかさんでしまうでしょう。

内製化の悪い点

内製化には以下のような問題点が考えられます。

・専門知識を有する人材育成が必要:社内の人材育成に役立つ反面、その育成に時間がかかってしまうと考えられます。専門的な知識や経験が必要となると、より時間や費用がかかってしまうでしょう。

・設備投資や運用にコストがかかる:例えばIT業務を内製化するとなると、パソコンやサーバー、ネットワーク、管理システム等の導入が必要となります。そのため初期費用が多く必要です。また、それらを運用していくにあたってもコストがかかります。

・人件費がかかる:専門的な知識を持った人材には、それなりの給与や賞与等の待遇が必要となります。そのため、人件費が多くかかってしまうと考えられるでしょう。

外注化の良い点

外注化することにより以下のような効果が得られます。

・専門知識や高い技術の活用が可能:最初から高い専門知識や技術を持った人材へ依頼することができるため、業務の質の向上に繋がります。

・自社の社員がコア業務に集中できる:ノンコア業務を外注化することにより、利益に直接関係するコア業務に自社の社員を割くことができます。

・自社での人材育成や確保が不要:スキルのある優秀な人材を活用できるため、自社での人材育成にかかる時間や費用を省くことが可能です。

外注化の悪い点

外注化には以下のような問題点が考えられます。

・社員に専門知識や技術が身に付かない:業務に社員が関わらなくなってしまうため、専門的な知識や技術等のノウハウを社内に蓄積できなくなってしまいます。

・内容によってコストが上がってしまう場合もある:月額費用+オプション追加費が一般的に必要となりますが、専門的な知識や技術が必要な業務であればより費用がかさむことも考えられます。

・認識のすれ違いが起こる:業務に対しては専門家ですが、自社の仕組みや理念に対しては理解していないこともあります。認識のすれ違いが起きて意図しない方向性に進んでしまうこともあるので注意しましょう。

内製化 or 外注化を決めるポイント

どちらを利用すべきか悩む場面も多くあるかと思います。ここではどちらを利用するか決めるためのポイントを紹介していきます。

業務を行う期間

対応する期間の長さによっても判断することが可能です。短期であれば知識やスキルが備わっている外注化を利用し、長期であれば社内での知識やスキルといったノウハウの蓄積を考えて内製化する等、使い分けていきましょう。

コストを比較する

外注化によるコストと内製化による人件費や設備投資費を比較してどちらが費用を抑えられるか確認しましょう。長期的に運用を継続していくためには、なるべく費用は押さえたいところです。

必要な知識や技術のレベルを確認

外注化の特徴として専門分野に特化した対応が可能というものがあります。そのため、業務に必要な知識や技術のレベルを把握し、自社にそれらが備わっている人材が確保できているか確認しましょう。そして、どちらを利用するか判断することをおすすめします。

内製化・外注化の範囲を決める

すべてをどちらかに統一する必要はありません。一連の流れにおいて、上記3つのポイントでメリットを多く受けるためには、どの部分を内製化・外注化すればよいか把握することが大事です。このように範囲を決めて導入を検討しましょう。

まとめ:それぞれの特徴を理解して使い分けましょう

内製化・外注化どちらにも良い点・悪い点が存在します。大切なのは、特徴を理解して企業や業務内容に合わせた適切な方法を選択することです。そのためにも、本記事を読んでそれぞれの目的や特徴、選ぶ際のポイントについて押さえておきましょう。

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oneplus編集部

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