総合振込で残高不足になったらどうなるの? 総合振込の注意点

総合振込は銀行で行う複数の振込みをまとめることができ、月初・月末といった支払いが重なるタイミングでの振込みに便利です。

経営者や経理担当者の中には、使用を検討しつつそのメリットや方法を理解しきれていない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回の記事ではその方法や、残高不足になった場合の注意点をご説明します。

総合振込とは? 仕組みやメリットを解説

金融機関が提供するサービスで、複数の振込みを一括で行うことができます。

月末等の支払日が重なる日に使われることが多く、振込作業の効率化に有効です。

詳しくはこちらをご参照ください。

総合振込とは複数の振込みをまとめて申請・承認する振込方法

複数の振込みについてデータを一括で作成し、承認・支払作業までまとめて行う振込方法です。通常の振込みでは申請→承認→支払いと都度行うのに対して、総合振込ではまとめて作業ができるため、効率的に作業が進められます。

一般的には金融機関のインターネットバンキングサービスを利用しているケースが多く、ネット上でログインして作業をします。また、会計ソフトから出力したCSVファイルを取り込めるものもあります。

振込振替・給与賞与振込との違いは?

振込振替は、送金先ごとにひとつずつデータを打ち込んで送金する方法で、特徴は次のとおりです。

  • 総合振込では原則前日までに予約が必要。一方、振込振替では即日送金できる
  • 振込振替は一件ずつデータを入力するため、手間がかかる

給与賞与振込は、給与や賞与の振込みに使われる送金方法で、特徴は次のとおりです。

  • 手数料が総合振込より安く設定されている傾向
  • 承認の期限が、総合振込では2日前~前営業日であるのに対し、給与・賞与は2~3営業日前

総合振込の仕組みや具体的な利用の流れ

総合振込は一般的に金融機関のインターネットバンキングを利用したサービスです。電子認証やICカード認証でログインすることで利用できます。

使用する際には原則前日までにデータを作成して、振込みの予約が必要です。企業で使う場合は、担当者と別の人でダブルチェックをして承認をしてから振込むプロセスにすると安心でしょう。

会計ソフトから全銀データやCSVファイルを取り込むことで、データ作成できるサービスもあります。

総合振込を使用するメリット

総合振込を使用するメリットとして、次の2点が挙げられます。

  • 事務負担の削減…複数の振込みをまとめて処理できるため、振込みにかかる時間を削減できます。振込みは月初・月末に重なることが多いため、通常の振込みは担当者にとって大きな負担となりやすいです。
  • 事前準備が可能…総合振込は事前にデータを作成して振込予約をするため、CSVで事前にデータを用意しておくことができます。支払日に業務が集中するのを防ぐのに有効でしょう。

総合振込を利用するときの注意点

総合振込は事務作業の削減に大きなメリットがありますが、注意すべき点もあります。

もし残高不足や内容に不備があると事務作業が逆に増えてしまうこともあるため、注意が必要です。注意点の詳細をご説明します。

残高不足の場合は総合振込が実行されない

残高不足の場合には総合振込が実行されず、予約していた全件が差戻しとなってしまうので注意しましょう。残高不足となった場合は、金融機関より追加で入金が必要な金額の連絡がくるケースが多いです。 同日中に振込みをするためには入金時間の期限が決められているため、迅速に対応しましょう。

総合振込はまとめて振込みの予約をするため、金額が高額になりやすいです。振込予約をする前に口座残高が十分か確認することを習慣化すると良いでしょう。

支払先の口座情報や名義の入力ミスがある場合は組戻される

支払先の口座情報や名義にミスがあると振込みがされずに組戻されてしまいます。組戻しが起きると経理担当者の事務負担が増えるだけでなく、取引先への支払い自体も遅れてしまうリスクがあるため、注意が必要です。

組戻し(くみもどし)とは?

振込手続きが金融機関で実施された後に、口座情報や名義に間違いがあった場合は、振込みがキャンセルされ返金されることを示します。

通常の振込みの場合は、支店名・口座番号等があっていれば名義が違っていても振込みが実行されるケースが多いです。一方、総合振込では、名義が違っていると組戻されてしまいます。

組戻しになると、対応が遅れた場合振込日の遅延にも繋がりかねず注意が必要です。また、組戻しが起きると組戻し手数料が取られてしまいます。

口座情報や名義入力の際に気をつけるポイント

口座情報を入力する際には、特に口座番号を間違いやすいです。

名義については、次の点に注意してください。

(個人の場合)

  • 個人事業主の場合は、屋号が必要か確認する。屋号を入力する場合は、名前との間に全角スペースをあける
  • 苗字と名前の間に全角スペースをあける

(法人の場合)

  • 社名の前か後ろに株式会社がつく時は、”カ)”が表示されるケースが多い。事前に確認をする
  • 社長名や担当者名がつく時は、社名との間に全角スペースをあける

金融機関によって手数料の値段は異なる

総合振込では手数料がかかり、基本的には通常の振込みよりも金額が高く設定されています。金融機関によって手数料の値段が異なり、同じ金融機関の中でも件数や金額によって手数料が変わることが多いです。振込みしたい内容が決まったら、金融機関の間で料金や使いやすさを比較し、最適なものを選ぶと良いでしょう。

手数料を抑えるためにはインターネットバンキングを利用するのが得策です。また、同じ銀行同士での振込みは手数料が安くなっていることもあります。

詳しくはこちらをご参照ください。

一回の総合振込で振込みできる数には限りがある

一回の総合振込で振込みできる数には限りがあり、例えば次のとおりとなっています。

  • 三菱UFJ銀行…全銀ファイルを利用する場合は、一度に50,000件
  • 三井住友銀行…スタンダードは3,000件、エキスパートは10,000件
  • みずほ銀行…一日・一度に20件
  • 楽天銀行…一回で最大3,000件

指定の件数を超えるとエラーになったり組戻されてしまったりするため、事前に確認しておくと良いでしょう。

総合振込を利用する場合には振込先の事前登録が必要

基本的には振込みの前に振込先の事前登録が必要で、銀行・支店・名義等を登録します。登録はひとつひとつシステム上で取り込んでいくこともできますが、CSVファイルを一括でアップロードする方法もあります。マニュアルや手引きを確認し、楽で間違えにくい方法を選ぶと良いでしょう。

事前の登録を間違えてしまうと、その後の振込みもうまくいかないため、実際に振込みをする前に登録内容があっているか再確認をしておくと良いです。

総合振込に関してのよくある疑問を解消

実際に振込みを検討する方の中には、方法や上限等に疑問を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。以下では、よくある疑問についてまとめましたので、参考にしてください。

承認期限に間に合わなかった場合はどうすればいい?

承認期限は2営業日前から前日に設定されていることが多く、間に合わなかった場合は受付が締め切られてしまいます。

間に合わなかった場合は、振込振替に切り替える方法があります。振込振替では10件といった少ない件数で、同様の振込みを行うことができます。総合振込では明細の金額は1行で表されますが、振込振替では振込先ごとの表示です。

権限設定によっては振替の手続きにも承認が必要となるため、早めの準備を心がけると良いでしょう。

総合振込の実行日は当日でも可能?

総合振込は処理する量が多く、金融機関の方でも引き落とし処理まで時間が必要なため、基本的に当日受付はありません。2営業日前・前日等、金融機関が設定している期限に合わせて予約をする必要があります。

複数の取引先に支払いが必要で総合振込を使用したい場合は、前もって準備を進めることが重要です。

もし当日となってしまった場合は、通常の振込みを利用して1件ずつ登録をしていくこととなり、手間がかかるため気を付けましょう。

社内システムで作成したデータを利用することは可能?

社内システムで作成したデータを利用することが可能な金融機関が多いです。

使用する金融機関によっても異なりますが、全銀データ形式で作成した振込先情報・振込データを取り込める金融機関が多いです。また、社内システムで作成したCSV形式・テキスト形式のファイルを全銀データに変換できるシステムが備わっている金融機関も多くあります。

社内システムと振込みのデータを連携させることで、経理担当者の業務を削減するだけでなく、ミスの防止にも役立つでしょう。

振込データを再利用することはできる?

振込データは、再利用できます。

過去のデータを参照し、振込先の情報は変えずに日付や金額だけを変更することができます。また、複数の振込データをまとめたり、同一の宛先の場合には結合することも可能です。

扱うデータが多く、担当者の負荷が高いため少しでも効率的な方法を考えるのが重要です。また、支払いに関わる部分でミスが起きると取引先の信用を大きく失いかねないため、ミス防止のためにも積極的にデータを再利用すると良いでしょう。

総合振込の承認者を複数人に分けたい

基本的に、総合振込承認者は複数設定できるようになっています。

2人承認者を設定する場合は、2人の承認者の間で順序を設定する場合と設定しない場合もあります。承認者の役職や経理フローに応じて、自社にとって最適な設定を選ぶと良いでしょう。

総合振込は扱う金額も大きく、経理業務の中でも重要な部分となるため、担当者ひとりの確認だけでなく複数人のチェックを通して振込みをするようフローを構築することが重要です。

総合振込を効率良く行うためにデータ連携をしよう

総合振込のデータ作成は気をつけるべき点が多く、担当者にかかる負荷も大きくなっています。総合振込を効率よく行うためには、oneplatを使用したデータ連携がおすすめです。

oneplatでは、支払情報を登録するだけで、総合振込データに変換してダウンロードできます。また、oneplatの立替サービスを利用している場合は、立替払いの依頼と総合振込データの作成も同時に行えるのも特徴です。

oneplatを使えば会計仕訳もシステムの方で自動で入力されるため、振込みに関わるデータ作成や会計仕訳の入力まで広く自動化できます。経理担当者が入力にかける時間を大幅に削減し、残業時間を減らしてコア業務により集中できるようになるでしょう。

【まとめ】総合振込の仕組みや注意点を押さえよう

総合振込を使うことで、振込みにかかる手間を削減できることをご説明しました。

一方で口座情報や名義を間違えると組戻されてしまうため注意が必要です。また、振込予約の締め切りも前日までに設定されているため、遅れがないように気を付けましょう。

総合振込のデータ登録にかかる時間を削減するためには、oneplatの活用がおすすめです。

oneplatを使えば、支払情報を登録するだけで、総合振込に必要なデータを手軽に作成してダウンロードできます。

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  • 会計/販売管理システムとの連携で仕訳入力が不要に
  • 取りまとめたデータを自動で取り込み
  • 総合振込データの作成や仕訳の消込も自動入力

導入後は複雑なデータ入力業務に時間を奪われることなく、本来の業務へ時間とコストを割くことが可能です。

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oneplus編集部

この記事の執筆者

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