請求書の郵送に必要な準備・送付状や封筒の書き方・注意点

毎月末にある請求書作成と郵送業務。いつもお決まりの作業として行っていても、改めて考えると手順やビジネスマナーに万全の自信を持っている方は少ないのではないでしょうか。

本記事では、請求書の郵送以外にも多くの業務があって時間のない方向けに、請求書送付に必要な準備や書き方・注意点の復習と、郵送業務の効率化に関する情報をご紹介します。

請求書の郵送に必要なもの・3点

請求書の郵送をする際には以下の3つを準備します。

  1. 送付状
  2. 封筒
  3. 切手

封筒や切手は当然必要ですが、送付状を添付することもビジネス上の礼儀となっていますので、忘れないように注意しましょう。送付状には記書きで送付物と枚数を記載するため、必要書類の送付ミスや抜け漏れ等の防止にも繋がります。

送付状や封筒の書き方には決まった型と注意すべき点があるので、先方にきちんとした印象を与えるためにも、しっかりマスターしたいところです。

請求書の書き方について詳しく知りたい方は以下の記事もご確認ください。
>>請求書の書き方を項目別に紹介!請求書受領後の流れやトラブル対処法も解説

請求書に添付する送付状の書き方を解説

送付状とは、請求書に添えて、簡単な挨拶や送付内容を記載する文書です。

送付状を作る際には以下のことを意識しましょう。

  • 送付物と枚数を明記する
  • きちんとしたビジネス文書を心がける
  • 問い合わせ先を明確に記載する

送付状に必要な項目をチェック

送付状に記載する項目は以下の5つです。

  1. 日付

    送付状の日付は発送した日付を記載します。

  2. 宛先

    宛名の書き方は特定の担当者に送るのか、部署に送るのか、それとも会社に送るのかによって変わります。こちらは後ほどの章で詳しく説明します。

  3. 記書き

    送付物と枚数を記載することで、先方が送付内容と中身に相違がないか確認できます。

  4. 送信者の情報

    送信者の社名・部署名・担当者氏名・連絡先を記載します。連絡先は、不備や問い合わせがある際の窓口になるので忘れないようにしましょう。

  5. あいさつ文・本文

    簡単な挨拶文と本文があると誠実さが伝わります。具体的な書き方は次の章で確認します。

「あいさつ文・本文」の注意点

・あいさつ文について

時候の挨拶や、「いつも大変お世話になっております。」等の定型の挨拶で文章を始めましょう。

余裕があれば相手を気遣うような一文を入れると相手に好印象を与えられます。

・本文について

送付状の目的は、請求書の送付内容に間違いがないかを先方に確認してもらうためです。

「ご査収のほど、よろしくお願いいたします。」「ご確認くださいますよう、お願い申し上げます。」等確認の依頼をする文章で締めましょう。

「記書き(送付書類の内容・枚数)」の注意点

記書きは挨拶のあとに記載されます。

「記」を中央揃えで記載したあとに送付物と枚数を記載します。最後に右揃えで「以上」と記載して締めましょう。

注意点① 複数枚に渡っての「記 以上」は使用できない

記書きは複数ページにまたがないようにしましょう。必ず1枚に収まるように工夫する必要があります。

注意点② 電子メールでは「記 以上」は使用しない

電子メール文では既に箇条書き等で簡潔な形式になっているため、「記 以上」の表記は不要です。

送付状の記載例を紹介

一般的な記載例を紹介しますので、今お使いのものと見比べて、確認してみてください。

【右寄せ】送付日(OO年OO月OO日)

【左寄せ】OO株式会社 御中

【右寄せ】送信者の情報を記載(会社名、部署名、担当者名、連絡先)

【中央】請求書 送付のご案内

【左寄せ】拝啓

【本文】時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。下記の通り、書類を送付させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

【右寄せ】敬具

【中央】記

【左寄せ】OOサービス 請求書 1通

【右寄せ】以上

記載後は三つ折りにして封筒の中に請求書と一緒に梱包します。

必ず同封物の種類と枚数に間違いがないことを確認しましょう。

請求書を入れる郵送用封筒の準備を解説

封筒の書き方、使い方にもマナーがあります。

大切な書類なので、中身が見えないようにすることや確実に届くように注意が必要です。

封筒の準備にも一般的なフォーマットがあるので、一緒に確認していきましょう。

用いる封筒は中身の見えないもの

請求書を封入する封筒は中身が透けない封筒、具体的にはクラフト素材の茶封筒や、内側に地紋がついた封筒を選びましょう。

特におすすめなのは白か薄い青の内側に地紋がついた封筒です。取引先が簡単に請求書を識別できるため、多くの企業が採用しています。

赤い封筒は赤字を連想させてしまうため、請求書の郵送には使用しないようにしましょう。

最近では不透明加工という特殊な加工で中身が見えない封筒もあるのでこちらを使っても問題ないです。

封筒表面:宛名の用意の仕方

封筒には以下の3つを必ず記載してください。

  • 送付先の住所
  • 送付先の会社名、部署名、担当者名
  • 「請求書在中」の文言

「請求書在中」と添え書きすることにより、取引先が郵便物を受け取った際に請求書だと一目で識別できます。

宛名シールを作成するか・封筒に印字するか・手書きか 300

毎回封筒に宛名を手書きをしたり印刷するのは大変なため、宛名シールを使用したいが先方に失礼ではないかと心配な方もいると思います。

しかし、宛名シールを使用することは失礼には当たりません。

毎月大量の請求書が発生するような場合は宛名シールを使用することで業務を効率化しましょう。

「請求書在中」の記載には通常、印字と手書きの2種類があります。

こちらはどちらでも問題ありません。

宛名シール同様に毎月多くの請求書が発生する場合は印字のほうが効率的です。

書き損じが起きにくいというメリットもあります。

手書きで記載する場合は「請求書在中」を目立たせるために周りに四角い枠で囲むようにしましょう。

宛名の書き方は宛先によって異なることに注意

宛名書きの方法は担当者宛、部署宛、会社宛と、それぞれ少しずつ異なります。

担当者宛(特定の担当者に送る場合)

右から会社名、部署名、担当者名を記載します。

社名のあとに「御中」は不要ですが、担当者の名前の下に「様」をつけましょう。

部署宛(特定の担当者がいない場合やわからない場合)

社名の左に部署名を記載します。この場合も社名のあとに「御中」は不要ですが、部署名の下に「御中」を記載します。

会社宛(特定の部署がない場合やわからない場合)

中央に会社名を1行で記載します。この場合は社名のあとに「御中」を記載しましょう。

封筒裏面:差出人情報の書き方

封筒の裏側には以下、4つの記載が必要です。

  • 送り主の住所
  • 送り主の会社名/氏名
  • 送付日
  • 封じ目

封じ目は通常〆が使われます。「封」や「緘」という封じ目を使う場合もあります。

封筒のまん中に継ぎ目がある場合は、継ぎ目の右側に住所、左側に氏名を書きます。継ぎ目がない封筒には、左寄せに情報を記載するようにしましょう。

継ぎ目があるかどうかで書き方が変わってくるため、自社がどんな封筒を使っているのか確認してみましょう。

請求書を郵送するときの注意点

最後に郵送方法を確認します。誤った郵送方法を選択すると、先方に届かずに迷惑をかけてしまいます。

また、封入書類の折り方一つにも決まりがあります。

よく間違いやすいところなので、しっかりと確認していきましょう。

記載内容に間違いがないことを十分に確認する

請求書が先方に届かず、自社に差し戻ってくる原因として記載内容に誤りがある場合が多いです。

先方の住所や郵便番号は何度も確認してから郵送をしましょう。

先方の住所が不安な場合は事前に調べて、場合によっては電話や電子メール等で確認を取っても失礼ではありません。

また、一度に複数の企業に送付する場合は、入れ間違いが起こらないように封筒の宛先と中身が一致していることも必ず確認してから郵送するようにしましょう。

文書の折り方に気をつける

請求書は三つ折りで封筒に入れます。

開いたときに請求書の「表題」が一番上にくるように、最初に下から折ることがポイントです。送付状も「拝啓」が一番上にくるように、下から折ります。

封筒に入れる際は封筒を裏返しにし、三つ折りにした請求書の上端が右にくるようにしましょう。こうすることで、請求書の「表題」や送付状の「拝啓」が最初に読まれます。

送付状を先に読んでもらえるように送付状が請求書の上にくるように入れましょう。

郵送方法は基本的に「普通郵便」を用いる

郵送方法はいくつかありますが、基本的には普通郵便が用いられます。

後ほど触れますが、請求書は「信書」にあたるので、原則として普通郵便を使うのがルールです。

普通郵便には安いというメリットがありますが、配達が記録されません。

ウェブサイトでおおよその配達日を調べることはできますが、配達状況は確認できません。

そのため、受け取ったかどうかでトラブルにならないように電子メール等でのコミュニケーションが大切です。

切手の過不足がないよう作業の最後に送付物の重さを確認する

郵送する前に送付物の大きさと重さを確認しておきましょう。

なぜなら、大きさと重さによって切手の料金が変わってくるからです。

請求書用に使われる封筒は「長形3号」、「角形2号」のどちらかを使うのが一般的です。

25g以内だと84円、50g以内だと94円と切手の料金が変わってきます。

目安としてはA4用紙4〜5枚分以上同封すると25gを超えてしまうので注意が必要です。

もしも、切手の過不足が起こってしまうと先方に届かず差し戻しになったり、不足分の請求を先方がしないといけなくなり、先方に迷惑をかけてしまいます。

郵便局の窓口であれば重さを計ってもらえますが、ポスト投函の際には特に気をつけましょう。

請求書の郵送に関するよくある疑問を解決!

この章ではよくある疑問や、そもそも請求書の送付業務を効率化する方法がないか等、気になる点についてお答えします。

インボイス制度が始まると請求書発行業務は一段と複雑になるため、今のうちに疑問を解消しておきましょう。

請求書を郵送したことを知らせる電子メールは必要?

郵送したことを知らせる電子メールは必須ではないですが、念のために送付することをおすすめします。

電子メールの送付により、先方に送付物が届いていない場合にいち早く確認することができます。電子メールを作成する際には何に対する請求書なのか、どのような支払い条件かを書くと親切でしょう。

多少の手間にはなりますが、電子メールでのやり取りを残すことで後から読み返す際の記録にもなるので請求書を郵送したときには電子メールを送付するようにしましょう。

請求書を郵送することにメリットはあるのか?

請求書を郵送するメリットはいくつかあります。

まずは、改ざんのリスクが低い点です。

文字を消したり、変更する場合は形跡が残ってしまいます。

また、郵送は昔から使われてきた方法なので、受け取る側も安心して受け取れることも挙げられます。

しかし、デメリットが多いのも事実でしょう。

担当者は請求書や送付状を作成したり、封筒の準備等注意する点が多く大変です。

また、配送にも時間がかかることから請求書送付の電子化が進んでいます。

請求書は「信書」にあたる文章なのか?

請求書は郵便法および信書便法上で、「信書」とされています。

信書とは「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、または事実を通知する文書」を指します。

そのため、郵便法および信書便法によって郵送方法が定められており、原則普通郵便での送付になります。レターパックやゆうパック等は使用できないので注意しましょう。

もし、違反した場合は「3年以下の懲役または360万円以下の罰金」が課せられるため、注意が必要です。

請求書を届ける方法は郵送以外にはないのか?

郵送にはコスト・手間・時間がかかってしまいます。

毎月多くの請求書を発行するような企業では切手代も大きな出費となっているでしょう。

また、2021年10月より土日祝日の郵送が休みとなったためこれまで以上に受取までのタイムラグが増えそうです。

郵送以外に請求書を届ける方法としておすすめなのは電子で請求書を送る仕組みを利用することです。

電子化してペーパーレスになればコストもミスも減り、大幅な時間短縮ができます。

受取側が電子化を進めている企業であれば手動での会計ソフトへの転記が不要になるため先方にとっても都合のよい場合があるでしょう。

請求書の発行作業を効率化する方法はあるか?

請求書の発行についても電子化が進んでいます。

請求書発行システムを使用すれば手間やミスがなく、早く取引先に届けることが可能です。

郵便法改正等も気にする必要ないので、覚えることも少なくて済んだり、一括でまとめて請求書を送信するシステムがあったりと、担当者の業務時間が短縮できるように工夫されています。

書類をなくすことなく、確実に保存ができるというメリットもあります。

特に、コロナ禍でリモートワーク化が進んでからはオフィスにいかなくてもインターネット上で完結できるため多くの企業が請求書発行システムを導入しました。

2021年10月の郵便法改正で変わったことはある?

郵便法の改正によって主に4つの変更点がありました。

  • 土曜日配送の休止
  • お届け日数の繰り下げ
  • 速達郵便料金の引き下げ
  • 配送日指定郵便料金区分の変更

請求書の郵送に影響してくるのは土曜日の配送の休止とお届け日数の繰り下げです。

従来日曜と祝日は配送がありませんでしたが、土曜日配達も休止となりました。

また、お届け日数の繰り下げによって従来は引受日の翌日が配達日でしたが、今後は翌々日配達となります。

郵送の場合は早めに請求書の準備と発送が必要になります。

請求書の遅れにより、月次決算にも影響する可能性があるので気をつけましょう。

まとめ

本記事では、請求書の郵送方法について解説しました。

請求書の郵送は手間も時間もコストもかかるため、電子化・ペーパーレス化を進めている企業が増えています。

請求書の郵送を電子化すれば大幅に手間・時間・コストの削減ができるため、経営者視点で考えれば始めない手はないでしょう。

また、郵便法改正やリモートワーク化によって電子化が当たり前になるのは時間の問題です。

この機会に各種サービスを検討してみてはいかがでしょうか。

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oneplus編集部

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