「経理の属人化」はなぜ危険?中小企業が抱えるリスクと解決策を解説

中小企業を中心に、経理業務が特定の担当者に依存する「属人化」の問題が深刻化しています。特定の担当者しか業務の進め方を知らず、ブラックボックス化してしまうと、新しい仕組みの導入がなかなか進みません。

さらに、担当者が休んだり退職したりすれば、業務そのものが止まってしまうリスクも考えられるため、今は業務遂行に支障がなくても、早めに対策を講じる必要があるでしょう。

本記事では、経理の属人化が引き起こすリスクや発生しやすい背景を整理したうえで、少人数でも実践しやすい解消法をご紹介します。また、属人化対策に役立つクラウドサービス「oneplat」についても詳しく解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

経理の属人化とは?

経理の属人化とは、経理業務が特定の担当者に頼りきりになっていて、その人以外では業務内容や進め方がわからない状態を指します。

例えば、取引先ごとの対応方法が担当者の頭の中にしかなく、手順書やマニュアルにまとめられていないケースが典型的です。

このような状態は「ブラックボックス化」とも呼ばれ、業務の実態が外から見えなくなってしまいます。

その結果、担当者が急に休んだり退職したりした場合に業務が滞り、ミスの増加や対応遅延などのリスクが発生します。属人化は業務の効率や正確さを損なうだけでなく、企業全体の安定的な運営にも悪影響を及ぼしかねません。

経理の属人化がもたらす4つの経営リスク

経理業務の属人化によって企業が直面しやすい、4つの具体的なリスクについて解説します。

経理業務の効率化が進まない

経理業務が属人化すると、業務の進め方が担当者のやり方に固定されやすいのが課題です。Excelや業務システムを活用できる場面でも、担当者の判断で紙ベースの処理が続けられているケースも珍しくありません。

また、新しいツールやシステムの導入を検討しても、「今のやり方で特に問題はない」といった理由で拒まれることもあります。その結果、非効率な作業が見直されないまま、放置されやすくなってしまうでしょう。

新しい仕組みやツールの導入が進まない

担当者個人の知識ややり方に依存していると、業務プロセスが不透明になる傾向があります。

経営層やほかの従業員が詳細を理解できていないため、どこに改善の余地があるのか見極めにくく、適切なITツールの選定や導入も進みません。

仮に新たなツールを導入したとしても、現場での使い方や運用手順が正しく共有されていなければ、ツールの効果が十分に発揮されないことも考えられます。非効率な手作業が続き、業務全体の生産性向上やミス削減といった、新たな施策の目的が達成できない可能性が高まります。

担当者の不在時に業務が滞る

一人の担当者が業務を抱えている状態では、その人が急な病気や家庭の事情で欠勤した際に、業務が滞るリスクが非常に高くなります。

特に、請求や支払いに関わる経理では、取引先からの連絡に即座に対応できず、確認の遅れやミスが発生する可能性があります。

信用の低下を招くだけでなく、タイミングを逃したことで商談が流れるなど機会損失にもつながりかねません。

後継者不足と事業継続の危機

長年にわたり、独自のやり方で進めていた担当者が退職や異動をすると、ノウハウが社内に残らず、業務継続に支障をきたす可能性があります。

特に中小企業では、後任の確保や育成が容易ではなく、そもそも引き継ぐ人材がいないというケースも少なくありません。

仮に後任が決まったとしても、十分な引き継ぎがなされないまま着任すれば業務の抜け漏れや処理ミスが発生しやすくなり、経理の精度や信頼性が著しく低下します。

経理が属人化しやすい要因

そもそも、なぜ経理業務では属人化が発生しやすく、しかもその状態が長期化しやすいのでしょうか。ここからは、経理業務が属人化しやすい主な原因について説明します。

業務の専門性が高く複雑化しやすい

経理の仕事は仕訳や会計処理、税務対応など、専門的な知識が必要なうえに、頻繁に変わる法律や制度にも、常に対応しなければなりません。そのため、経験や知識のある担当者に業務が集中しやすく、「この人に任せておけば安心」という雰囲気が職場に定着してしまうこともあるでしょう。

つまり、業務の性質そのものが、特定の担当者への依存を生みやすい構造になっているのです。

業務プロセスがブラックボックス化しやすい

手順やノウハウが担当者の中だけに留まっており、マニュアルや業務フローが整備されていない場合は、ほかの従業員が業務の内容を把握することが難しくなります。

さらに、長年同じやり方で業務を続けてきた担当者が、新しい仕組みや変化に対して抵抗感を持つことも少なくありません。

経営層や他部署も「経理は専門的だから」と任せきりになってしまうことで、属人化が進む原因となってしまいます。

このような属人化の状態は、業務内容が外部から見えづらくなるため、チェック体制が機能しづらくなり、不正の温床となるリスクも高まります。特定の担当者のみが情報を握る状況では、不適切な処理や私的流用があっても発見が遅れ、組織全体の信頼性を損なうおそれがあるでしょう。

慢性的な人材不足と採用難

多くの企業において、経理部門は「コストを生まない部門(コストセンター)」と見なされがちで、ほかの部門と比べて人員の補充が後回しになる傾向があります。

さらに、経理業務には専門知識が求められるため、即戦力となる人材の採用は容易ではありません。また、一から丁寧に育成する余裕がないと感じている企業も少なくないでしょう。

その結果、限られた人員で業務を回すしかなく、特定の担当者への業務集中が進み、属人化が常態化してしまいます。

とはいえ、人手が足りないからといって属人化を放置すれば、将来的に大きなリスクを招くことになります。次の章では、限りある人材でも現実的に実行できる、属人化の解消策をご紹介します。


【関連記事】経理業務のDX推進で人材課題を解決!従業員と企業の成長につながる方法を解説

人材不足でも実行可能な経理の属人化解消方法

日々の業務に少し工夫を加えることで、属人化のリスクを減らすことができます。以下に、限られた人材でも対応できる、現実的かつ効果的な方法をご紹介します。

業務プロセスの可視化と標準化

まず取り組むべきは、経理業務の「見える化」です。誰が、どの業務を、どのような手順で行っているのかを整理し、全体の流れを明らかにしましょう。

例えば、請求書処理のステップを洗い出し、業務フロー図としてまとめます。さらに、詳細な手順をマニュアル化し、関係者に共有しておくことで、誰が担当しても一定のレベルで業務を行えるようになります。


【関連記事】業務の可視化が必要な理由やおすすめのツール、利用するポイントを紹介!

柔軟なバックアップ体制の構築

経理の属人化を防ぐには、担当者の急な不在にも対応できる体制を整えておくことも欠かせません。例えば、主要な業務については2人以上が対応できるようにしておく、定期的に業務内容を共有する場を設けるといった仕組みが有効です。

すべてを完全に引き継ぐ必要はありませんが、最低限の対応が可能な状態にしておくだけでも、業務が滞るリスクを大きく減らすことができます。

システム導入による業務の自動化・省力化の推進

経理には繰り返しの作業や細かなチェックが多く含まれるため、システムの導入によって属人化を解消しやすい業務領域と言えます。

例えば、納品書や請求書の処理を自動化・省力化できれば、入力や確認といった手作業の負担が大きく減り、担当者に依存せずに業務を進めやすくなります。

さらに操作履歴や進捗状況が記録されるシステムであれば、情報の共有や引き継ぎもスムーズに行えるようになり、業務の見える化にもつながります。


【関連記事】請求書を電子発行するメリットは大きい!効率的な運用方法と電子発行時の注意点

経理の脱属人化なら!納品書・請求書クラウドサービス「oneplat」

属人化対策としてシステム導入を検討しても、数あるサービスの中から何を選べばよいか迷う方も多いのではないでしょうか。納品書や請求書の処理を標準化できるサービスとして、特に支持されているのが「oneplat(ワンプラット)」です。ここでは、oneplatの概要と属人化を解消できる理由をご紹介します。

「oneplat」とは?

oneplatは、納品書や請求書をクラウド上で発行・受領・管理できるサービスです。

帳票を電子化して一元管理できるため、経理担当者が個別にメールやファイルを探し回る必要がなくなります。

これにより、「どこに保存されているかわかるのは担当者だけ」「受領(発行)済みかどうかが他の人には分からない」といった状況を防ぐことが可能です。

料金は、請求書の電子発行が月額22,000円(税込)、納品書と請求書の電子発行が月額33,000円(税込)、受領サービスが月額33,000円(税込)です。初期費用・サポート費用は無料で、低コストで導入できる点も評価されています。

「oneplat」で経理の属人化を解消できる理由

oneplatが属人化の解消につながる理由は、大きく3つあります。

請求書・納品書をクラウドで一元管理

oneplatでは、書類のやり取りや管理がすべてクラウド上で完結します。関係者全員が同じ情報にアクセスできるため、社内だけでなく取引先とも簡単に情報を共有できる体制が整います。

また、書類の受け渡しや回覧の遅れといったタイムロスが発生しない点もメリットです。

システム連携でワンクリック発行

oneplatは様々な販売管理システムや会計システムと連携可能です。

発行サービスでは、oneplatにCSVデータを取り込むだけで、販売先全社分の納品書・請求書をワンクリックで発行します。手作業を大幅に削減できるため、作業時間を短縮できるだけでなく、ほかの従業員でも対応しやすくなります。

直感的でシンプルな操作性

oneplatは操作方法がわかりやすく、これまで紙やExcelに慣れていた方でもスムーズに移行できます。

さらに、専門スタッフによるサポート体制も整っています。導入時はもちろん、引き継ぎ後や運用中のトラブルもお気軽にご連絡ください。

■ まとめ

経理業務が特定の担当者に集中していると、効率化が進まないだけでなく、退職や異動などがきっかけで業務が滞るリスクも生じます。

属人化は人員を増やさなければ解消できないと思われがちですが、実は少しの工夫で改善することが可能です。例えば、誰でも状況を把握できる環境をつくるだけでも、属人性は大きく緩和されます。

さらにoneplatのようなクラウドサービスを活用すれば、書類管理の自動化や情報の一元化が進み、より安定した経理体制の構築につながります。

経理の属人化を解消し、業務改善をしたいと検討されるのであれば、oneplatを導入して、業務改善に取り組んでみてはいかがでしょうか。

この記事を読んだ方で「受け取る」納品書や請求書を「電子化」することに興味がある方はいませんか?

oneplatは、納品書や請求書をデータで受け取れるサービスです。

会社組織の財務・経理部門や、支店・店舗・工場などの、 管理業務における下記の課題解決にoneplatは大きく貢献できます。

  • 会計/販売管理システムとの連携で仕訳入力が不要に
  • 取りまとめたデータを自動で取り込み
  • 総合振込データの作成や仕訳の消込も自動入力

導入後は複雑なデータ入力業務に時間を奪われることなく、本来の業務へ時間とコストを割くことが可能です。

このウェブサイトでは、他にもコスト削減・業務効率化に役立つ資料を無料で配布しておりますので、 是非、この機会に一度資料ダウンロードしてみてください。

oneplus編集部

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