「働きやすい職場」の必要性や特徴とは? 取り組み例を紹介

労働人口が減少し、「優秀な人材が集まらない……」「離職率が高い……」と人材確保についてお悩みの経営者は多くいらっしゃるでしょう。新たに人材を集めることも大切ですが、離職を防ぐために現在雇用している従業員の「働きやすさ」を考えることも重要な視点です。

この記事では、従業員が「働きやすい職場」はなぜ必要か、実現するにはどのような取り組みができるかを紹介します。従業員だけでなく企業側にもメリットがあるため、是非チェックして活用してみてください。

「働きやすい職場」とはどんな環境か?|「働きがい」との関係

従業員が能力の発揮と健康を両立できる環境

「働きやすい職場」には、自身の能力を最大限に発揮できる環境が大切です。環境は、動線や利便性を考慮したレイアウトや備品、ネット環境等のハード面と、人間関係やコミュニケーションの取りやすさ、過不足ない制度等のソフト面の2つに分類できます。

これらの両方の環境が整備されていることで、従業員は無駄な動きや業務をなくし、柔軟な発想や考え方で仕事を進めることができるでしょう。仕事を妨げるストレスを減らし、心身ともに健康で働くことにも繋がります。つまり、従業員が能力を発揮して健康で働き続けられる環境が「働きやすい職場」であると言えます。

働きやすい職場であることは「働きがい(モチベーション)」に繋がる

「働きやすさ」は自分の外部の環境によるものです。それに対して「働きがい」は、働くことで得られる満足感やモチベーション等、自分の内部から湧き上がってくるものです。仕事の内容自体は好きでも、外部環境が悪ければ心身に影響を及ぼしやすく、「好きな仕事をしているはずなのに報われない」とジレンマを感じることもあるでしょう。

就職や転職では「やりがい」「働きがい」をアピールする企業が多くあります。それらを感じられる土台として、まずは「働きやすさ」を重視した環境の整備が大切です。

働きやすい職場を構築する必要性|企業にもたらす効果とは

働きやすい職場にすることは、従業員にはもちろん、企業にとっても以下のようなメリットがあります。

  • 生産性向上
  • 離職率の低下
  • 企業のイメージアップ

無駄やストレスの要因が少ない環境であれば、従業員は前向きな気持ちで仕事に集中できます。その結果、効率良く仕事を行うことができ、生産性向上に繋がるでしょう。仕事への充実感も得られ「働き続けたい」と感じることができます。このような従業員が増えれば離職率は低下し、新たに人材を採用・教育するコストを抑えることができます。また、長く働いてもらうことで自社オリジナルのノウハウを蓄積することができ、利益に繋げやすくなるでしょう。

また、「ブラック企業」「ホワイト企業」という言葉があるように、働きやすさは企業イメージのひとつの指標にもなっています。特に求職者にとっては、魅力となるポイントであり、採用時に優秀な人材を広く集めることにも役立ちます。

働きやすい職場に共通する5つの特徴を押さえよう

1.充実した福利厚生制度が整備されている

福利厚生とは、給与や賞与とは別に従業員に提供する報酬のことです。社会保険等の「法定福利厚生」と、通勤手当や住宅補助等の「法定外福利厚生」があり、後者は会社が独自に定めることができます。福利厚生制度を充実させることで従業員の働きやすさを高め、さらに求職者にとっての魅力を高めることもできるでしょう。具体的には以下のようなものがあり、独自のユニークな制度を設けている会社もあります。

  • 健康診断の実施
  • 育児・介護休暇制度の拡充
  • 自己啓発支援、資格取得支援
  • 慶弔金
  • 食事の補助(社員食堂、弁当の注文等)
  • コーヒーの飲み放題
  • スポーツクラブの利用割引

2.明確かつ公正な評価基準がある

努力や成果を会社から評価されることで、従業員のモチベーションは上がります。逆に、従業員が「正当に評価されていない」と感じると、モチベーションの低下から転職を考えはじめることも少なくありません。

そこで、誰から見てもわかりやすく、透明性・公平性のある評価基準を設けることが大切です。「何をどのように評価するか」を具体的に定めて周知しておくことで、自社のビジョンの認識を深め、目標に向けた行動を促すことができるでしょう。加えて、評価に応じた役職や報酬等、評価の結果がどのように反映されるのかを定めることでよりクリアな評価制度となります。

3.従業員研修・教育機会が提供される

さらにスキルや知識を付けてキャリアアップしたいと思う従業員は多いものです。しかし、個人的に学習を行うには時間的・金銭的なハードルがあります。そこで、企業が支えて研修や教育の機会を整備することで積極的に学ぶことができ、意欲も向上するでしょう。研修プログラムや資格取得のための学習の中で、体系的・網羅的に学ぶことができます。

新しいスキルや知識を獲得した従業員は、企業の大切な戦力となります。学びが企業側からの支えによって社内に根付けば、企業風土も変わってくるでしょう。

4.情報共有・意見交換がスムーズにできる人間関係

人間関係が円滑であれば、コミュニケーションにかかるストレスが少なくなり、働きやすさに繋がります。気軽に情報・進捗状況の共有や意見の交換ができるため、連携ミスを防止して強いチームワークを発揮することができ、企業にとってもプラスになります。

「上司に話しかけにくい」「意見を言っても意味がない」と思うような職場では、積極的にコミュニケーションを取ろうとは思えません。従業員ひとりひとりの性格や心がけが必要な点ではあります。しかし企業としても、定期的なミーティングやビジネスチャットの活用によって、コミュニケーションを取りやすい環境を整備しておくことが大切です。

5.ワークライフバランスが実現される

プライベートを充実させる時間の確保ができることも、働きやすさを考える上では重要です。休むべき時にしっかりと休めなければ、高いパフォーマンスで仕事を行うことはできません。また、家族との時間や趣味等、好きなように過ごす時間を取れなくては息が詰まってしまいます。そのため、企業は残業を少なくする仕組みづくりや、休暇制度の充実にも取り組む必要があります。

働きやすい職場を構築するための取り組み例

評価基準の見直し・マニュアルを作成する

現行の人事評価基準があれば、それが適切なものであるか見直してみましょう。「どんな行いが」「どんな結果が」「どのような形で評価されるのか」が客観的に明確でなければ、従業員のモチベーションには繋がりません。従業員自身が納得して努力できるような基準であるかを念頭に置いて、見直しを行いましょう。

また、マニュアルは新入社員が成長するために重要な土台となるものです。すべきことが明確でわかりやすいマニュアルがあれば、不慣れであっても業務を進めることはでき、質問する時間や手間も省けます。「新入社員のことをしっかり考えてくれている」という会社への信頼感も高まるでしょう。

ITツールを取り入れてDX化を進める

DXとは「デジタルトランスフォーメーション」の略で、IT技術によって人々の生活をより良いものとすることを意味します。仕事においても、業務負担の軽減や効率化に役立つ様々なITツールが開発されています。多くがクラウドを用いたツールであるため、テレワークの推進にも有用です。具体的には、ビジネスチャットツール、経費精算ツール、帳票作成・発行ツール、情報共有ツール、労務管理ツール等、多岐にわたります。特に、業務量が多く負担となりがちな経理部門の効率化には大きな効果が期待できます。

DXについては以下の記事もご覧ください。
>>紙からの脱却!課題解決に向けたoneplatの伴走支援でDX化への第一歩を実現

ハラスメント対策を実施する

「セクハラ」や「パワハラ」、「マタハラ」等、様々なハラスメントが近年問題となっています。これらのハラスメントへの対策は「男女雇用機会均等法」「育児・介護休業法」等の法律によって事業主に義務付けられており、適切な措置を行わなければなりません。

ハラスメントを防止するには、まずハラスメントにあたる行為や、ハラスメントを行った場合の対処を周知する必要があります。そして担当者を決めて相談窓口を設置し、再発防止や被害者のケアも行います。相談しやすいよう、相談方法はメールや電話等の対面以外の方法も設けておくと良いでしょう。相談者のプライバシーを守ってトラブルを避けながら、真摯に対応することが必要です。

スキル向上の支援制度を導入する

仕事を含めたライフスタイルを豊かにするための支援制度を導入することも、働きやすい職場に繋がります。具体的なものには、業界全体についての研修会、業務に必要な資格やあると役立つ資格の取得、語学習得のための勉強会等があります。

このような支援制度は、企業の戦力となることはもちろん、従業員の人生を豊かにします。ワークライフバランスの実現にも有用であると言えるでしょう。ただし、従業員の時間を拘束する場合もあるため、勤務時間とのバランスの取れた無理のない仕組みを作ることが大切です。

働きやすさを高める設備環境づくりをする

ソフト面である仕組みを整備することと同様に、ハード面である物理的な環境を整備することも大切です。居心地が悪く使いづらいオフィス環境は、モチベーションや効率に悪影響を及ぼします。備品や什器のレイアウトが動線に合っているか、落ち着いて仕事ができる環境であるかを見直してみましょう。一日に長時間使うデスクや椅子についても、極端に使いづらい、体に負担がかかる場合は見直しが必要です。

場面ごとに必要な環境を使えることも、働きやすさに繋がります。会議室のほか、ちょっとしたミーティングに使える共用スペース、集中して作業したいときに使える個別ブース等を設けている会社もあります。従業員の意見を聞きながら、使いやすい環境にしていきましょう。

働きやすい職場環境を実現した企業の事例を紹介

1.健康をサポートする制度の導入

近年、従業員の健康を経営的視点から考えて実践する「健康経営」が徐々に知られるようになってきました。静岡県の某IT企業も健康経営を取り入れた会社のひとつです。従業員の健康を経営資源のひとつとしてとらえ、手厚い健康診断をはじめ幅広い取り組みを行っています。仕事の生産性や従業員の生活の質を向上させることで、社会全体においても長く必要とされる会社の先駆けとなっています。

2.女性が働きやすい体制の整備

メディア事業やインターネット広告事業を行ってる某大手IT企業は、女性の働きやすさに力を入れている会社です。女性社員の有給休暇や女性特有の不調による休暇、不妊治療のための休暇等の呼び方を「エフ休」と統一しています。利用用途がほかの人にわからないようにし、取得しづらさを緩和するという独自の制度です。このほか、子どもの発熱時に在宅勤務ができたり、子どもの行事のための休暇が設けられていたりと、男女問わず育児中に嬉しい制度も整備されています。

3.介護職の雇用形態・賃金体系の改定

ある有料老人ホームでは、同じような業務内容であるにもかかわらず、人によって雇用形態が異なっていました。また、隣接する社会福祉施設との間に待遇面で格差があることに従業員の不満が高まっていました。不満を抱えながらの勤務は潜在的なストレスが溜まるものです。そこで、フルタイムの契約社員を正社員へ転換し、賃金体系の見直しを行いました。この結果、退職者はゼロとなり、人員の充実によって有給休暇やリフレッシュ休暇を取得しやすくなるといった効果が得られました。

働きやすい職場づくりはプロセスが重要

ここまでお読みいただき、働きやすい職場について理解を深めていただけたと思います。「是非やってみたい」という取り組みが見つかった方もいるでしょう。その上で、以下のような適切なプロセスを踏んで実践することが大切です。

  • 働き方についての現在の問題点を把握する
  • 優先順位を付ける
  • 問題解決のための方法を検討する
  • 解決方法を実践する
  • 職場環境の改善と検証する

実施する取り組み単体で考えるのではなく、まずは全体の現状を把握することからはじめましょう。その中から優先的に改善すべき点をピックアップし、順番に取り組みを検討していきます。実践するには、施策の周知や細かなルール作りも不可欠です。施策を開始したら、その効果を振り返り検証して、次へ生かしていくことも大切です。

経理業務の自動化の面から働きやすい職場をサポート「oneplat」

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まとめ

「働きやすい職場」を実現するための取り組みは簡単なことではありませんが、将来長きにわたって従業員に働いてもらうためには重要です。また、優秀な人材を集めるためにも不可欠となっています。働きやすい職場づくりは国によっても推進されているため、将来的にますます重視されていくと考えられます。まずは現状を把握して、できることからはじめていきましょう。

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oneplus編集部

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