働き方改革を成功させる進め方|現状を打破するのは業績との両立

仕事とプライベートのバランスよく両立し、「人として生きる」ことで会社も個人も利益を得られる環境を構築するべくはじまったのが「働き方改革」です。長時間労働や頻繁な休日出勤の見直し、年次有給休暇の取得義務化により、全体の労働時間は減少しています。

そこでこの記事では、働き方改革を通して業務内容を見直し、いかに効率よく作業を進める仕組みを作り上げていくかを、順を追って解説していきます。働き方改革を行う意義やメリットを理解し、会社の利益へと繋げていきましょう。

目次

自社で働き方改革が成功を収めるための進め方・4step

step1.経営側から推進する旨の表明をする

まずは経営側や部署・課のリーダーから行動する必要があります。なぜ働き方改革を導入するべきなのかを全体に伝え、働く側のメリットを明確に伝えることが大切です。

その取り組みとして、具体的に何を行うのかを明らかにしていきます。この時重要なのは、従業員側のメリット・デメリットをわかりやすく示すことです。

例えば、残業時間が削減されれば当然残業代は減ります。その減った残業代で、ほかの有意義な制度を導入する資金にする等、働く意欲を維持する対策も一緒に行う必要があります。

step2.社内業務の現状の洗い出しを行う

次に社内の労働環境の実態を把握することが必要です。仕事の流れや職場環境、個人の仕事に対する意識や、会社の組織について、社内でアンケートを取ったり個人面談等を通して、問題点を洗い出し改善点がないか確認しましょう。

また、業務内容についても、重要度に応じた分類をしたり、単純作業か人の目や手が必要な作業かによって分類したりして、それらに応じたシステムを構築していきます。

step3.改善のアイデアの検討・施策の選定をする

問題点を洗い出したところで、次は改善点を探っていきます。例えば長時間通勤の社員に対してテレワークを取り入れる。会議の多い部署では、集まる会議からWEB会議への変更やチャットツールを使用した会議で途中参加でも見える化したりする等、時間を有効に使える方法を模索していきます。

また、重要度の低い業務は廃止する。単調作業は自動化できないか考える等、人の手だけではなくITの力をフル活用するのも良い方法です。なぜ導入するのかを説明し、皆で改善点を検討できる環境も整えます。

step4.施策を実行しPDCAサイクルを回す

施策を実行したら、どう改善できたか検証することも大切です。期待していた成果が得られなかった場合は、原因を考えてほかの方法も検討しましょう。

社内で長く習慣化していることを変えるには、短期間では無理があります。長期的な視点でPDCAを繰り返すことが大切です。

働き方改革は現状導入が進んでいるのか?

2019年から少しずつ施行されてきた「働き方改革」。場所に捉われない柔軟な働き方であるテレワークは、新型コロナウイルスによる影響であっという間に定着しました。このテレワークが働き方や場所の多様化を加速させたのは間違いないでしょう。

しかしこれは、「働き方改革」の方針に沿った内容ではありますが、その意識は薄いと考えられます。テレワークによって生まれた隙間時間を家事や介護にあて、仕事との両立も可能になってきました。

また、働き方に対する意識も変化しており、仕事より生活を重視する人が増えたのもコロナ禍だからこそ芽生えた変化でしょう。結果的には「働き方改革」の内容に沿っているものの、社内で意味のある形で進められているという意見は少ないようです。

働き方改革において現状課題となっていること3つ

1.人件費やその他のコストがかかる

「働き方改革」を導入することによって、コストは増加する傾向にあります。長時間労働是正によって1人当たりの労働時間が短くなる分、人員を追加採用するためコストが増加。また、同一労働同一賃金制度によって、今まで低く設定できた非正規社員の賃金の増加に伴い、人件費も増加します。

年次有給取得の義務化のコスト増加は大きく、賃金を貰いながら休む人と、休みで圧迫した業務がほかの人にまわり、その人に残業代を支払うことも人件費の増加要因です。その他にも仕事の効率化を図るため、システムを導入する際にもコストが増加します。

2.利益の減少や生産性の低下が起こっている

残業時間の規制や多様な人材の受け入れを実施すると、新たな人材への教育時間の確保により業務が圧迫されるにもかかわらず、残業時間の規制で仕事が中途半端になり、生産性が低下する等が問題になります。

「働き方改革」は構造上の問題であることが多いため、改善をせず、ただ残業規制や多様な人材を受け入れた場合は、負担が増すだけになる可能性も高いです。より良い環境を求めて改革を実施しても、生産性や売上げ低下を招けば本末転倒です。

3.管理職のサービス残業への転嫁がなされている

残業時間の規制により、残業規制のない管理職への負担が増えるといういびつな形で制度が実施される可能性もあります。管理職とはいえ、一部に負担が偏る仕組みは長続きしません。

継続して実施していくことが大切な「働き方改革」の根本的な部分を見直し、特定層に負担が集中することのないようバランスを保てる解決策を打っていくことが必要です。

働き方改革を進める上で押さえたい目的と最終ゴールとは?

目的1.様々な事情を持つ人材が働きやすい環境を整える

少子高齢化による生産年齢人口(15歳以上65歳未満の人口)の減少は、近い将来避けては通れない課題です。

そのため、働く意欲はあっても会社の労働規定に合わせることができず働くことができない人たちにも、労働できる環境を作る取り組みが必要です。多様な人材がそれぞれに合った条件で長く働ける環境を整えることで、人材不足を軽減する第一歩となるでしょう。

目的2.形骸化しがちな長時間労働を見直して適正にする

日本の労働生産性は主要先進国7か国で最下位の状態が続いています。長時間労働は過労死等の労働災害も招きかねません。とは言え、残業規制をするだけでは労働時間の短縮にはならず、労働者の業務圧迫を強いるだけでは長続きしません。

長期的に実施するためにも形骸化せず、労働者の意見を聞きながら改善点を見つけて施策を実行し、結果を見直すことを繰り返し行います。

目的3.働きやすさと業績を両立させる

「働き方改革」では労働生産性を上げるため、労働時間の削減と付加価値業務の質の向上の双方が必要です。働きやすくなっても業績が悪化すれば会社の存続に関わります。また、いくら最新のツールやシステムを導入しても使うのは人間です。

日々の業務に取り組む社員が「働き方改革」の意識を高め、キャリアアップすることで付加価値業務の質も向上します。個々のレベルアップは重要課題ですが、それをサポートする会社側の姿勢もとても重要です。

企業の働き方改革の最終ゴールは「労働生産性を高めること」

「働き方改革」の目的は労働生産性を上げることによって、働き手が減っても生産性を確保することにあります。そのため、多様な働き方に対応し、社員の幸せと会社の利益の両立を目指していかなければなりません。

社員の幸せとひと言に言っても難しいかもしれませんが、企業としてできることは社員のモチベーションを保ち、各々にあった働き方で生き生きと働いてもらうことです。そうすることで意欲が上がり、難題への取り組みも前向きに進み大きな改善へと繋がります。

働き方改革で成功を収めるためのポイント3つ

point1.従業員の望む形で働く環境を向上させる

「働き方改革」は「残業時間の縮小」ではなく「労働生産性の向上」と認識していれば、業務の中で何が無駄で、効率化のためにはどうすれば良いのか、という考えを持つことができます。自社の働き方改革には何が必要なのかに気付いている社員も少なくないはずです。

その声を100%反映することがすべてではありませんが、その中には多くのヒントが隠されています。また、生産性をアップさせるには、従業員が率先して行う方がより効果的です。自分たちの意見が反映されれば、より意欲的に導入が進むでしょう。

point2.各現場での課題分析が重要である

各現場には必ず「労働生産性向上の鍵を握る従業員たち」が存在します。そこでヒアリングを行い、現状の課題を把握することが、「働き方改革」を成功させる極めて重要なポイントです。

また、実施してみた結果を現場で共有することで、新たな施策を生み出します。改善された点・まだまだ改善が必要な点等の洗い出し、次へのポイントをまとめて上層部に上げるという仕組みを整える必要があります。業務の中で経営陣が意識していない、または気付かないところから「働き方改革」を推進できるポイントがあるかもしれません。

point3.制度や施策導入後の従業員の声を反映させる

「働き方改革」を実施するには現場の声が重要です。まずは社員の声に耳を傾けてみましょう。現状での問題点や改善して欲しいこと等、匿名でアンケートを取ってみるのも有効です。経営陣が勝手に改革を進めても、従業員はやらされている意識を持つようになります。従業員の声を反映させる形で改革を進め、モチベーションを保つことも欠かせません。

また、改革に尽力した従業員には評価や昇進で報いて、逆の場合は良い評価はないと明確にする必要があります。キチンと評価することで、新しい取り組みの浸透を図り、現状を維持しようとする従業員を削減する狙いです。本当の意味で働き方改革を成功させるための答えは現場にあります。

生産性を高めつつ働き方改革を成功させる施策3つ

テレワーク等による多様な働き方を推奨する

リモートワークやフレックスタイム制の導入等、各個人が働きやすい環境を整備することで、モチベーションが上がり労働生産性は向上します。通勤時間の削減、拘束時間の減少で労働者の時間が増え、自分の時間を充実させることができるでしょう。

また、業務の効率化への意識も高まります。ワークライフバランスを重視することは、優秀な人材の確保にも繋がり、生産性や効率性の底上げにもなります。

アウトソーシングの利用により事業の本分に従業員の労力を集中させる

定型的な業務や事務作業等を外部へ委託することは、社内の生産性や効率性の向上を図る上で重要です。ノンコア業務に時間をかけていると、従業員は生産性の高い重要な作業を集中して行うことができません。

ルーティーン業務や問い合わせ対応、専門性が高い人がやった方が効率の良い業務は、アウトソーシングをした方が自社の人材を有効活用でき、結果的には時間も効率的でコスト削減にも繋がります。

ITツールの活用による自動化や業務効率化やを図る

労働生産性を向上するためにはテクノロジーの活用は欠かせません。自社にあったITツールを活用することで、より効率的に業務が遂行できます。

業務を自動化することによって人の手を介することなく業務が進むため、使い方次第では従業員の残業時間削減にも大きく貢献します。

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働き方改革を成功させる進め方を押さえよう

「働き方改革」は「労働時間の削減」ではなく、「労働生産性の向上」が大きな目的です。これを履き違えると、施策自体が大きく崩れ従業員の多大な負担になり、成功は遠のいてしまいます。会社の利益を守りつつ、従業員の人生を豊かにするための施策を考え進めて行くことが、成功のカギと言えるでしょう。

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oneplus編集部

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