新規事業のアイデアが出ない時の発想法とは? フレームワークも紹介

新規事業をはじめたいと思っても「アイデアが思い浮かばない・どうやってアイデアを出したらいいのかわからない」という方も多いでしょう。

この記事では、新規事業のアイデアを出す前に確認しておくべきことやアイデア出しの参考になるフレームワークをご紹介しています。これから新規事業の立ち上げを考えている人は参考にしてください。

目次

【はじめに】新規事業のアイデアを出す前に確認したいこと

新規事業の立ち上げに明確な目的(ゴール)があるか

まず新規事業を立ち上げる上で「自分はどうしてこの事業をやりたいのか」という、目標を明確にする必要があります。なんとなく起業しようかな、と目標が定まらないまま進めてしまうと、いざ起業してもつまづいてしまうかもしれません。

「この事業を立ち上げる目的」を明確にしておくことは、起業をする上でとても重要なことです。収益を出すために様々な困難にぶつかったとしても、自分の企業の目的がはっきりしていると、問題解決のきっかけになるでしょう。

新規事業に他企業にはない魅力(強み)があるか

新規事業を立ち上げるのに、最初につまづくのはアイデアではないでしょうか。

競合他社やお客様のニーズに応えることはもちろんですが、「自社ならではの魅力」も大切になってきます。日々商品開発は進み、顧客のニーズも変化していきます。替えのきくものではニーズに応えることができず、長期的な収益化も見込めません。

そのため、他企業にはない魅力を備えることがとても重要になってくるのです。

新規事業は3つの要素を満たすアイデアを発想しよう

①オリジナリティ要素がある「新規性」

まずひとつ目に重要な要素は「新規性」です。
世の中には類似品や同じようなサービスが多数存在しています。既に多くの競合がいるような事業では、差別化が難しく市場に埋もれてしまう可能性が高いです。そのため今までにないような、独創的かつ新しいアイデアが必要となります。

ほかではなかなか真似できないようなアイデアは、市場の競争が激しくない事業に参戦できることから価値があると言えるでしょう。

②不満や課題を解消する「解決性」

事業を安定的に継続して収益化を図るには、顧客のニーズに応える必要があります。
そのため顧客の不満や課題を解消できるようなアイデアは、成功する可能性が高いと言えるでしょう。

一方で、独創性を追求しすぎると「実はお客様が望んでいないもの」となり、企業の自己満足といった形になってしまうことも。あくまでも顧客の不満や不便といった問題を解決できるアイデアが大切になってきます。

③利益を安定的に生み出せる「収益性」

顧客のニーズに応えることはとても重要です。
しかしそれだけでは企業は成り立ちません。収益があってはじめて企業は従業員を雇い、商品を開発して販売といった運営ができるのです。

そして収益化も一時ではなく、安定的な収益化が必須です。そのため、新規事業を立ち上げる際には、安定的な収益を得るためのプロセスも一緒に考えていく必要があると言えるでしょう。

良い新規事業のアイデアを生むための考え方

質にこだわりすぎないこと

新規事業を立ち上げるためのアイデア出しは、「質より量」を重視しましょう。
アイデア出しで一番難航するのは、具体的に考えすぎて数が少なかったり、アイデア自体が出なかったりという点です。最初のアイデア出しは、大まかな概要だけでも良いのでとにかく量を意識することが大切です。

多少具体性がなかったとしても幅広い分野のアイデアがあると、広い視野で新規事業について考えていけるでしょう。

世の中や身の回りに視線をシフトしてみること

アイデア出しで困った時は、自分の身近なものに注目するのもおすすめです。
身の回りの人が不便に感じていることや不満等に耳を傾けると、新規事業に結びつくアイデアが浮かぶ可能性もあります。

しかし、既にその悩みに対して解決できる商品やサービスがないか、確認することも重要です。せっかく良いアイデアが浮かんだと思い具体的に進めても、既に競合がいては実現が難しくなってしまいます。

成功したビジネスモデルから検討すること

世の中には既に成功例をもったビジネスモデルがあります。
新規事業を立ち上げる際には、このビジネスモデルを応用するのもひとつの手です。既にその商品やサービスは成功している訳ですから、そこに付加価値をつけたり、違う分野に広げたりすることで比較的簡単に起業ができます。

しかし、今まで事業化されていないものは、収益化が難しい・採算がとれない等の落とし穴があるので注意しましょう。

自社事業の弱みと強みを分析すること

新規事業を立ち上げた後に、その事業を運営していくのは自社です。
そのため自社の強みや弱みを知り、特徴や得意分野を生かすアイデアを出すことがポイントになってきます。今まで一度も携わってこなかった分野より、自社が得意とする分野でアイデアを出したほうが成功率は格段にあがるでしょう。

また既存事業の成功事例には、新規事業に繋がるヒントがたくさん隠れているので、まずは自社の既存事業について徹底的に分析をするのがおすすめです。

他社の弱みと強みを分析すること

自社を分析するときや新しい商品を開発するとき等、様々な場面で他社との比較を行っている企業も多いでしょう。
新規事業を立ち上げる際も同様に、ライバル会社を分析することがとても重要になってきます。競合相手はどのような商品を作っているのか、そして何が強みで何が弱みなのかを知ることで、自社での新規事業のアイデアを考える時のヒントを掴むことができます。

新規事業のアイデアが出ない時に活用したい5つのフレームワーク

1.アイデアの拡張「マンダラート」

マンダラートとは9×9のマスを使って、目標や行動指針を明確にする手法です。
頭の中の思考を整理したり、目標達成のために行うべきプロセスを視覚化したりできるので、アイデアを考えるのに最適なツールと言えるでしょう。

しかし、マンダラートは9×9の81マスを9個の3×3のマスに分け、それぞれの中央に目標を設定したら、残りの8マスに目標に合致するテーマを当てはめていくといったルールが存在します。そのルールを把握していないとあまり意味のない方法になることも。
そのためマンダラートを使う場合は、まずルールをきちんと確認しましょう。

2.アイデア発想の助け「スキャンパー(SCAMPER)」

次におすすめするアイデア出しのフレームワークは「スキャンパー」です。

スキャンパーはアイデアを量産するのに特化しており、7つの質問リストを用います。
7つの質問とは「代用する・組み合わせる・適応させる・修正する・その他の使い道・削減する・再編成させる(逆転させる)」といったもの。
既に出したアイデアに対して「何を代用できるか?」といったように7つの質問を投げかけていくことで、アイデアをさらに展開していきながら量産できるでしょう。

3.アイデアの具体化「MVV」

MVVとは「ミッション・ビジョン・バリュー」の頭文字をとって略したものです。
ミッションは企業の使命であり、成し遂げたい目標を指します。そしてビジョンは会社が目指していきたい未来像、最後にバリューはミッションを成功させるための手段のことを言います。

MVVを定めることで「この企業は何を目標に掲げており、どんな未来を望んでいるのか、そしてそのためには何をしなくてはいけないのか」を企業全体で共有し、明確化することができるのです。従業員間で共通認識ができれば、行動に一貫性を持たせることも可能になります。

4.アイデアを成功へ導く「4P分析」

4P分析とは、マーケティング戦略を立てるのに役立つ手法です。

  • Product:どんな製品・サービスか
  • Price:その製品をいくらで提供するのか
  • Place(Channel):その製品・サービスをどのように提供するのか
  • Promotion:その製品・サービスをどのように販促するのか

上記の頭文字をとって4P分析と言います。顧客のニーズに応えるためには良い製品やサービスを作ることだけではありません。価格帯や売り方も重要になってくるので、4P分析のような手法で整理しておくことも大切です。

【企業のできる工夫】新規事業のアイデア創出に繋がる行動とは

ブレインストーミングを行う

広い視野でアイデアを考えるなら「ブレインストーミング」がおすすめです。

ブレインストーミングとは、従業員を一定数集めて、自由に発言できるディスカッションのことを言います。ブレインストーミングを成功させるコツは、具体的な分析や可能・不可能の有無等は考えずに、とにかくアイデアを出すこと。
自由な発言をしあうことで新しいアイデアが浮かびやすくなります。

また、ディスカッションに参加したメンバーは、その新規事業に興味を持ちやすくなるというメリットもあります。

セミナーや講演会等に参加する

社内のメンバーや自分だけではアイデア出しに限界があると感じる人は、他社や異業種の企業が開催しているセミナー・講習に参加するのも良いでしょう。
オンラインセミナーであれば、時間も場所も自由に見ることができるので便利です。

また、セミナーや講習への参加は有意義な情報を得られるだけでなく、人脈を広げるチャンスでもあります。いろいろな人とコミュニケーションをとって情報交換を行えば、アイデアの幅も広がるかもしれません。

専門知識を持つコンサルタントに相談する

アイデアを考える上で専門知識や経験があるコンサルタントに相談するのもひとつの方法です。

コンサルタントはこれまで成功した実績や反対に失敗する事例を知っています。そのノウハウを頼りに新規事業のアイデアに対してアドバイスをもらったり、実際に具体化するまでのフローを示してもらえたりします。そうすることでスピーディーに新規事業を展開していくことも可能になるでしょう。

新規事業に成功したビジネスアイデアの事例

事例1.海外のアイデアを日本に導入

これまで新規事業を立ち上げ成功した事例のひとつとして「海外の成功例を日本で導入した」というアイデアがあります。

海外の成功例を取り入れる方法は、

海外で成功したのであれば日本でも成功する可能性が高い。
さらに世界の流行やニーズを知ることもできる。
そして1からアイデアを考える必要がない。

といった多数のメリットがあります。

さらに出資金を募る場合も、海外でのビジネスモデルを参考にしているので「実際に世界ではこのくらいの収益がでている」といった具体的な数値を提示することも可能です。しかし、海外で成功しているからといって必ず日本でも成功するとは限りません。そのため、どのビジネスモデルが日本人にも受け入れられるのか、見極める必要があるでしょう。

事例2.物流の悩みを解消したアイデア

過去には物流事業の課題である“再配達率の高さ”に注目し、画期的なサービスを開発した事例もあります。

単身世帯が多い都市部を中心に問題になっている再配達の多さ。この問題に革新をもたらしたのが【OKIPPA】というサービスになります。
OKIPPAは家にいなくても玄関前に置き配用のバックを置いておき、専用アプリで配送状況を管理すれば、自宅にいなくても荷物が受け取れるサービスです。

そしてこのサービスを一緒に開発したのが「日本郵政」です。このように事業内容によっては大手企業と提携を結ぶことで、飛躍的に事業拡大できる可能性もあるでしょう。

まとめ

新規事業のアイデア出しをする前に、まずは「目標や自社の強みや特徴」を明確にしましょう。
自分の芯をしっかり持つことで、困難が訪れたときでも定めた目標を基に、解決の糸口が見つかりやすくなります。

そして新規事業のアイデアがまとまったら次は実際に新規事業を立ち上げる準備です。
新規事業を進めるプロセスについて詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
>>新規事業を成功に導くプロセス|ポイントやフレームワークも紹介

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oneplus編集部

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