請求書控えの保存義務とは?保存期間や保存方法、注意点などを解説

企業の取引において発行される請求書。取引数が多くなれば請求書の発行数も増え、管理が難しくなります。また今後、令和5年10月1日から導入されるインボイス制度によって、請求書控えの保存義務が発生するため、より管理が複雑になっていくでしょう。

本記事では、請求書や控えの保存義務、期間、方法、保存における注意点などについて解説していきます。

請求書の控えの管理とは?

管理・保存の観点で見たとき請求書は、
・他社で発行された請求書の原本
・自社で発行された請求書の控え
の2種類に区別できます。

どちらも税務関係に必要な書類ですので、適切に管理することが大切です。それでは、それぞれの管理方法について見ていきましょう。

①他社で発行された請求書

自社がサービスや品物を発注して納品された後、納品した側から請求書が送付されます。これにより、自社の支払いが発生します。この、他社から自社へ送付された請求書は原本書類です。

この場合は原則、原本ではなくコピーの保存は不可になります。コピーのみでは税務調査時に改ざんを疑われる恐れがあるからです。また、原本とコピーの両方が存在してしまうことで書類の重複を招き、適切な管理が難しくなってしまいます。そのため、送付された請求書は原本で保管しましょう。

②自社で発行した請求書

他社からサービスや品物の発注を受けて納品した後、自社で請求書を発行して発注した側に送付する必要があります。これにより、他社から売掛債権を回収します。この、自社から他社へ送付した請求書の控えは入金済・入金前で区別しておくと良いでしょう。

区別することで入金されていない取引が明確になり、売掛債権の回収漏れを防ぐことができます。また、入金前の控えは支払期限順に整理しておくと回収遅延を防ぐこともできるでしょう。そして、入金後は入金日を記載して発行日順に整理しておくと、後ほど確認する際に探しやすいです。

請求書の保存義務や期間は?

請求書は税務調査で必要な書類の一つで、法律によって保存期間が定められています。そして、原本だけではなく控えも同様に保存義務があります。期間は、法人・個人事業主・インボイス制度の適用等によって異なるため注意が必要です。ここでは、条件ごとの保存期間について解説していきます。

①法人の場合

保存期間は法人税法上で定められており、原則7年間、条件によっては10年間です。これは、発行日からではないことに注意しましょう。開始日は事業年度の確定申告で決められている提出期限の翌日から7年間です。確定申告の提出期限は、事業年度終了日の翌日から2か月以内とされています。

保存期間が10年間となる条件は、繰越欠損金制度を利用する場合です。繰越欠損金制度を平成30年4月1日以降に利用する場合は、10年間の保存義務が発生します。欠損金の繰越とは、その事業年度での赤字を翌年の利益から控除する制度です。

②個人事業主の場合

保存期間は所得税法上で定められており、原則5年間、条件によっては7年間です。こちらも確定申告の提出期限の翌日から5年間となる点に注意しましょう。

保存期間が7年間となる条件は、消費税課税事業者に該当する場合です。消費税課税事業者とは、年間の課税売上が1,000万円以上等の一定の条件を満たしている事業者を言います。こちらに該当する場合は、個人事業主であっても保存期間が7年間になるということを覚えておきましょう。

③インボイス制度の場合

令和5年10月1日から導入されるインボイス制度によって、適格請求書の保存が義務となります。これにより発行者側も受領側も7年間の保存が必要です。つまり発行者側も控えをこの期間は保存しておく必要があるので必ず覚えておきましょう。

インボイス制度の正式名称は「適格請求書等保存方式」です。免税事業者はこの制度に申請することで課税事業者となり適格請求書の発行が可能になります。この適格請求書の控えに保存義務が発生します。

請求書控えの保存方法

請求書控えの保存方法は主に2種類です。紙の書類やPDFをファイリングして管理することもあれば、電子化してパソコン上で管理することもあり、企業によって管理方法は様々あります。ここでは、紙での保存とデータでの保存についてそれぞれ方法を紹介します。

①紙で保存

作成や送付はパソコン上で行っていても、控えの管理は紙ベースで行うこともあります。データやPDFは印刷して取引先ごとに月別に分けてファイリングします。取引企業や取引回数が多いと控えも増えていくでしょう。

手間はかかりますが、問い合わせに迅速な対応ができるよう常に整理整頓しておくことが大切です。また、保管場所確保のため各請求書の保存期間は明確にしておき、こまめに処分しましょう。

②データで保存

近年、テレワークの普及により請求書も電子化して保存・管理する企業も増えてきています。電子化のメリットは、コストの削減、人的ミスの削減、効率アップ等です。電子化することで、送付までの対応が迅速に行うことができ、取引をスムーズに行うことができます。また、保管スペースの確保が不要となり管理しやすい特徴もあります。

しかし、データでの保存は便利だが、注意することもあります。それはデータが改ざんされていないことを証明しなければならないことです。そのために、電子署名やタイムスタンプが必要となります。

請求書控えの管理で注意が必要な点

条件によって請求書控えにも保存義務が発生するため、適切に管理する必要があります。ここでは、管理する上での注意点について紹介します。

①請求書番号を利用して管理する

請求書は毎月一定数発行されるため、膨大な量になることも。整理や管理ができていないと必要な時に必要な書類が確認できません。そこで管理しやすいよう請求書番号が広く利用されています。これにより、通し番号を元に発行順に管理しておくことが可能で、入金前・入金済の確認漏れ防止にも繋がります。

また、請求書番号に決まったルールはありません。自社で定めている取引先企業コードと日付を組み合わせる等、取引順に並べやすい番号を作成すると良いでしょう。

②感熱紙の保存方法に注意

感熱紙は、時間が経つと印字が薄くなり見えなくなってしまいます。例えば、レシートなどに使われています。そのため、データではなく紙で保存・管理している場合は注意が必要です。

対策としては、以下のようなものがあります。
・控えに金額や日付・内容を記載しておく
・コピーを作成し、控えとセットで保管する
・電子化してパソコンで管理する

請求書の管理に便利なシステム

近年、請求書にかかわらず、企業で取り扱う多くの書類が電子化されてきています。安全かつ効率的に管理するためには、請求書管理システムの利用がおすすめです。発行から入金まで一元管理が可能で、データなので長期間の保存も負担になりません。入金前や入金済、控え等、分類して保存・管理できるため、確認もしやすいです。

ただし、導入には費用がかかります。各企業が提供するシステムの種類によって作業範囲が異なるため、自社に必要な機能や条件を明確にしてから選ぶと良いでしょう。

まとめ:請求書控えの保存期間や方法を把握して適切に管理しましょう

本記事では、請求書や控えの保存義務、期間、方法、保存における注意点などについて解説しました。インボイス制度の導入により請求書控えにも保存義務が発生するようになりますので、しっかり要点を押さえておきましょう。

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oneplus編集部

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