不動産投資で重視したいキャッシュフロー・プラスにする7つの方法

不動産投資をするうえで、表面利回りや実質利回りなどたくさんの専門用語を耳にしますよね。それだけでなく「キャッシュフロー」という言葉をご存じでしょうか?全ての投資をするうえでとても大切な部分です。

この記事では「不動産投資で重視したいキャッシュフローと、プラスにする方法」を詳しく読み解いていきます。ぜひ参考にしてください。

目次

不動産投資で重視したい「キャッシュフロー」とは?

不動産投資をするとき、メインになるのは家賃収入です。そこからローンや利息、維持費や修繕費など支出を差し引き、手元に残った金額が利益となります。この現金の流れを表したものを「キャッシュフロー」と呼びます。

キャッシュフローとは「現実に手元にあるお金の流れ」                 

キャッシュフローがあれば、現実に手元にあるお金の流れを確認できます。どのような要因を経由し、実際いくら残ったのか分かるので、投資状態の把握をするのに非常に便利です。もちろん、最終的に手元にお金が残れば問題はないですが、キャッシュフローを確認すればより詳しく管理ができます。

帳簿上の損益とキャッシュフローには違いがある      

また、帳簿上の損益とキャッシュフローは、会計上の金額か・キャッシュ(現金)のみの金額かという違いがあります。帳簿上の損益は、取引が成立した時点で発生しますが、キャッシュフローの場合は、現金の出金・入金が起きてはじめて発生します。このように、帳簿上の損益とキャッシュフローではタイムラグが発生します。

そのため、帳簿上のみで管理していると、知らない間にキャッシュ(現金)がなくなってしまう恐れもあります。そうなることを防ぐためにもキャッシュフローは重要です。

不動産投資でなぜキャッシュフローを重視するべきなのか?

では具体的に、なぜキャッシュフローを重視するべきなのでしょうか?キャッシュフローで管理するとどのようなメリットがあるのでしょうか?

不動産の収支として動かせる現金の把握が今後の運用を左右する

不動産投資で得た現金が無ければ、別口の現金が必要になります。そうなると、再度資金調達をするか、もし別の資産があれば、そこで帳尻を合わせるしかありません。一時的にであれば問題は無いですが「ローンや利息が増えてしまう・別資産がどんどん減る」ということになりかねません。そうなると、投資の拡大はもちろん、維持することも難しくなります。

投資拡大・維持をするためにも、不動産収支での現金把握は必要です。

不動産投資でキャッシュフローがプラスであるメリット

拡大・維持をするためにも、不動産収支の把握が重要ということは理解いただけたと思います。次に、プラスであるときのメリットはどんなものでしょうか?

ローン返済に追われなくて済む

まず、ローン返済がスムーズに行えます。返済に追われてしまうと、心身ともに疲弊します。それだけでなく、ローンを予定よりも早く返すことも可能です。スムーズに返済をしたり、早く返済ができれば、利息を多く払う必要もありません。うまくいけば支出を減らし、予定よりも利益を生めるということです。

災害や修繕など急な出費に他の収入から資金調達しなくて済む

次に、急な出費が起きてもすぐに対応ができ、別資金から支払いをしなくても済むということです。不動産は、災害や維持で必要な修繕費が突如必要になることが多くあります。そこで資金調達をしたり、別資金をあてにするのではなく、スムーズに支払えるというメリットもあります。ただの利益ではなく、備えとしても役立ちます。

金融機関に高く評価され、売却する際にも有利に働く 

次に、金融機関に高く評価されるというメリットです。プラスであるほど、またその期間が長いほど「収益の高い、質のいい賃貸経営をした」という実績が残り、次の投資などが受けやすくなります。さらに、売却するときに「収益の高い賃貸」として評価され、高値になる可能性もあります。

家賃を高く維持して良いと判断できる

次に、家賃を高く維持していい物件と判断できることです。プラスであるということは、得たキャッシュがより多く、それだけの価値のある不動産であると判断できます。家賃は収入に直結する部分なので、下げるということは避けるべきです。高い家賃を維持するためにも、キャッシュの状態をプラスで保てるようにしましょう。

不動産投資でキャッシュフローがマイナスである時のリスク

プラスであるときのメリットはご理解頂けたと思います。次に、マイナスである時のリスクに関して説明していきます。リスク回避のためにも、しっかりと確認してください。

急な出費が生じたときに資金繰りに苦しむ

先述したように、不動産投資には急な出費(災害や維持で必要な修繕)が避けられませんし、いつ起こるかも分かりません。さらに空き室ができ、予定よりも収入が減る可能性もあります。もし、キャッシュフローのマイナス状態が続いてしまったら、対応するため現金集めの資金調達をするか、別資産でまかなう方法をとるしか無くなり、資金繰りに苦しめられるリスクがあります。

最悪「黒字倒産」も起こり得る

マイナス状態が続いているとき、最悪「黒字倒産」も起こり得ます。黒字倒産とは、帳簿上の金額はプラスで黒字なのに、キャッシュフローに記載されている”現実に手元にある現金”が無く赤字になってしまい、投資の継続が不可能になるということです。

また不動産投資で注意しなければならないのは、経費にできない金額が、経費にできる金額を上回ってしまい、税金が増えてしまう時期があるということです。そうすると、現金の減りが早くなりキャッシュフローがマイナスになってしまうので、黒字倒産を避けられるよう細めに帳簿とのバランスを確認しましょう。

キャッシュフローの計算方法とシミュレーション

では、実際にキャッシュフローの計算方法を確認します。計算することがキャッシュフロー活用の一歩です。シミュレーションも用意しているので、ぜひ活用してください。

不動産投資のキャッシュフローの簡単な計算方法は?

簡単な計算方法は以下です。

家賃収入-{ローン返済額(元本の返済+利息)+経費}

上記式に金額を当て込むと、不動産投資のキャッシュフローが出てきます。先述のように、キャッシュフローは「現実に手元にあるお金」のことです。そのため、家賃収入からすべての支出(ローンや利息はもちろん、投資にかかる必要経費)を差し引く必要があります。

キャッシュフローをシミュレーションで見てみよう

では実際にシミュレーションをしてみましょう。収支のタイミングが同時という前提で進めます。

家賃収入
 100万円

ローン+利息
 40万円+10万円

経費
 20万円

上記の数値を式に当て込み、計算します。

100万円ー{(40万円+10万円)+20万円}=30万円

このようにキャッシュフローを計算した場合、1か月に手元にある現金が30万円ということになります。ただ、こちらの金額は「税金を差し引く前の金額」なので、この金額から税金支払いが起こります。

キャッシュフローが健全かどうかは「債務返済倍率」で確認しよう

次に、キャッシュフローが健全なものかどうか確認できる「債務返済倍率」も確認しましょう。債務返済倍率とは、家賃収入と比べどれほどのお金を返しているかの比率が求めるものです。この数値が1.3以上であれば、健全であると判断でき、銀行など金融機関から投資を受けやすくなるというメリットがあります。以下の計算方法で確認してください。

年間の営業純利益{家賃収入ー(経費+税金)}÷年間のローン返済額=債務返済倍率

では、以下の数値を当て込んで、シミュレーションをしてみましょう。

家賃収入
 100万円

経費
 20万円

税金
 10万円

ローン+利息
 40万円+10万円

上記の数値を式に当て込み、計算します。

{100万ー(20万+10万)}÷(40万+10万)=1.4

この場合、債務返済倍率が「1.4」という数値になるので、不動産投資のキャッシュフローは健全だと言えます。

キャッシュフローをプラスにする7つの方法 

では、キャッシュフローをプラスに好転させるための7つの方法を紹介していきます。もし現在マイナスが続いてしまっていたり、これから投資を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

1.物件購入時に頭金を多く入れて自己資金比率を増やす

1つめは、不動産投資時に使用する物件購入をするとき、頭金を多く持ち、自己資金の比率を増やすことです。簡単に言うと、不動産投資を始める前に資金を多く用意することで、ローン返済額と利子が減り、運用時の支出を減らせます。そうすれば、キャッシュフローに余裕ができ、プラスにしやすいです。

目安としては、購入額の2~3割多く持っておくのがいいでしょう。基本的に不動産の利子は低いことが多いので、過剰に用意する必要はありません。

2.自己資金や運用方法に見合ったローンを利用する

2つめは、自己資金や運用方法に見合ったローンを利用することです。先述したキャッシュフロー計算式や債務返済倍率でも見たように、キャッシュフローは「家賃収入とローン返済のバランス」がとても大切です。

ローンには「元金均等方式」と「元利均等法式」があります。元金均等方式は、元金が返済開始~終了まで同じ額で、そこに利息を上乗せする方法です。そのため、支払い開始時は金額が高くなりますが、徐々に利息が減り、支払いが減る特徴があります。
また元利均等法式は、元金と利息を支払い開始時~終了時までの期間でならし、一定の金額を支払うという方法です。手持ち資金を残しながら運用したい場合におすすめです。

3.できればローンの繰り上げ返済をする

3つめは、ローンの繰り上げ返済です。別資産を用意する必要がありますが、毎月の支出や利息を減らすことができるため、現状マイナスで苦しい場合に最適です。ローンの繰り上げ返済には、返済期間を短くすることで利息が軽減出来る「返済期間短縮型」と、毎月の返済額を減らす「返済額軽減型」があります。別資産の用意が出来る場合は、検討してください。

4.ローンの借り換えを利用する

4つめは、ローンの借り換えを利用することです。現状借入をしている金融機関から、別金融機関に借り換えを行うことで、利息を減らせるというメリットがあります。利息を減らせば、支払い額を減らすことができるので、キャッシュも残りやすくなります。ただ、借り換えをするとき、違約金や手数料がとられる可能性もあるので、しっかり確認してください。

5.不動産の資産価値や家賃を維持できるよう努める

5つめは、不動産の資産価値や家賃を維持できるよう努めることです。不動産の資産価値とは、投資物件の価値であり、家賃そのものでもあります。価値を守れれば家賃も維持できるので、収入が減る心配もなく、キャッシュフローが円滑に進むでしょう。
そのために注意してほしいのは、投資物件を選ぶとき「立地や周辺環境、物件の質」が良いところを選ぶようにしましょう。物件の金額的な価値、人気の理由はほとんどがこの部分です。また、合わせて「定期メンテナンス・設備導入」などで、空き室を作らないようにすることも大切です。

6.管理は空室対策をしてくれる、実績ある管理会社に頼む

6つめは、空室対策を実績のある管理会社に頼むことです。不動産投資では、パートナーとして管理会社に空き室管理を頼むことが多くあります。不動産投資の初心者の場合は、特におすすめです。空き室が出てしまうと、収入の減少に直結するので、入居率の高い管理会社に対策を依頼しましょう。投資業務を減らしつつ、利益を保持できます。

7.運用に必要なコストの見直しをする

7つめは、運用に必要なコストの見直しをすることです。キャッシュフローを活用し、現金の収支を確認し、コストがかかっている箇所を見直しましょう。経費で減らせる部分があるなら、なるべく減らすのが理想ですし、利息が高いのであれば、今後を見据えて借り換えや、繰り上げ返済を検討する必要があります。まずは、どこにどのくらいコストがかかっているか確認しましょう。

キャッシュフローがプラスになったら検討したい資金の活用方法

キャッシュフローがプラスになったとき、まず「備えとしてプールすること」を検討してください。先述したように、不動産投資は急な出費や、収入減少が避けられません。そういったときの資金集めに困らないよう、一部プールしておくことをおすすめします。
次に、メンテナンスやリフォーム、リノベーション費用として活用することです。不動産価値・家賃の維持が、家賃収入の安定の最大の鍵です。プラスになった分はメンテナンスにあて、キャッシュフローのプラス状態を継続できるようにしましょう。

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全ての収支を紙で管理していたり手入力で対応していると、その分業務コストがかかりますが、データで一括管理できることでコスト削減に繋がります。業務コストが削減出来れば、必要経費も削減でき、キャッシュに余裕を持たせられるでしょう。不動産投資にお困りの方は、ぜひ検討してください。

まとめ

今回は「不動産投資で重視したいキャッシュフローと、プラスにする方法」をご紹介しました。不動産投資をする上で、手元にある現金はとても大切です。キャッシュフローは、現金の細かな管理ができるだけでなく、投資状態の把握にも役立ちます。不動産投資を考えている方はもちろん、投資の継続・拡大をしていきたいと考えている方は、ぜひこの記事を参考に、キャッシュフローの作成・活用をしてみてください。

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oneplus編集部

この記事の執筆者

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