【一橋ビジネススクール教授 楠木建氏 インタビュー】 企業競争力におけるDXの重要性〜DXを機に日本の経営者は変われるのか〜 #2 自由意志を放棄した「代表取締役担当者」になるな

いまやDX(デジタルトランスフォーメーション)を自社の喫緊の課題と考える経営者は非常に多いと言えます。DXによる変革が競争力の源泉を得ることに繋がり、昨今の厳しい経済社会を勝ち抜くことに直結するからです。ただ一方で、旧態依然とした感性のまま、今のデジタル化の波に乗り遅れている経営者が少なくないのもまた事実です。DXによるイノベーションの必要性が叫ばれる今、日本の経営者の思考や感性も同様に、新たなフェーズへと刷新していくことができるのでしょうか。競争戦略とイノベーションを専門分野に、長く企業の成長戦略を研究してきた楠木建氏に、企業競争力におけるDXの重要性等を聞きました。 目次 1 DXの戦略には経営者の「欲」が重要2 ユニクロが実践した「ライフウェア」を軸にしたDX戦略3 どれだけ優れたツールが現れても、それだけでDXは完成しない4 経営者としての「欲」を全面に出してDXを進める5 DXは「経営者の資格」を自問自答する良い機会になる DXの戦略には経営者の「欲」が重要 では、DXを推進するために、中小企業の経営者はどのように関わっていくべきなのでしょうか?例えば、企業の経営者の定義には、様々な解釈があると思います。私はごくシンプルに、経営者とは「担当者でない人」であり、「ビジネスや商売に丸ごと責任をもつ人」と考えています。「自分はこの会社でこんなふうに稼いでいこうと思っているのだけど、それについてきてほしい」と社員を牽引し、そのための戦略を構築する責任者です。 逆にDXを推進する「担当者」は、ITに対してそれなりの知識があり、どんな技術やシステムを使うかの選択を行う人で、当然DXに欠かせない存在です。ただ、その人はあくまでもDXを推進する「担当」に過ぎず、経営における欲がありません。DXの目的である、「稼ぎ方を変える」ことへの欲がないわけです。 DXの原則の一つは「いかに儲けるか」の戦略と言いましたが、担当者にはその欲がありませんから、DXを任せてしまうと、的外れなものになってしまうことがよくあります。DXを進める上では経営者自身が戦略を立てることが重要ですし、経営者しかできない役割です。手段の構築は任せても、戦略の立案は経営者が行うべきなのです。経営者がもっているはずの本能的な欲を全開にして、担当者を使う。このことが、DXを推進する上で非常に重要な要件になると思い

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oneplus編集部

この記事の執筆者

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